全国トップの女性議員比率で「リアルな声を届ける」。都民ファーストの会代表・荒木ちはる議員に聞く〈都議選2021〉

 

全国トップの女性比率

―都民ファーストの会は女性議員が多いことでも知られます。昨今の女性議員の割合についての受け止めについて、教えて下さい。

荒木:都議会の女性議員の割合は、都民ファーストの会が誕生し、28.6%と全国1位になりました。議員も1人の女性として、独身もいれば、母親もいます。大切なのは、子どもを産んでも議員としての仕事を全うできるということです。実際に母となった議員は、リアルな声を都政に届けられるわけですね。ある議員は、在職中に子どもを産んで、産後うつになりかけたり、子育てのしづらさを感じたりと、他の人から「聞いてきました」ではなく、「私はこういう苦労をしています」と、自身の体験を伝えることができます。とりわけ、都民ファーストの会東京都議団では、コロナ禍で出産することへの不安や経済状況から、妊娠の届出件数が減っていることに着目し、出産に対して子ども一人当たり10万円相当の支援(コロナに負けるな!東京都出産応援事業ー赤ちゃんファースト事業ー)を実現させました。女性議員が多いことでリアルな声を反映できています。

保健所の先の、区民を助ける

―これまでにもさまざまな政策を実現された荒木議員ですが、特に印象に残っているものはありますか。

荒木:そうですね。実現したものは約5000件、陳情を受けたものですとそれ以上です。その中でも、やはりコロナ禍での保健所の業務ひっ迫です。中野区保健所では、公衆衛生医師の資格を持つ職員が2名在籍しているのですが、うち1名が倒れてしまうほど、業務や人員のひっ迫が大きな課題になっていました。そこで、都知事に対し、直接、中野区保健所の現状を視察頂き、都からの応援職員の要請を行い、人員4名の派遣や公衆衛生医師の資格を持つ都の職員の予防課長就任など、人員確保に努めました。細かなところでは、派遣期間の長さです。都から応援職員が来てくれても、1、2週間で帰ってしまう。区としてはせっかく仕事を覚えていただいたら、長い期間いてほしいとの思いで、4ヶ月以上の長期派遣や2週間以上の引き継ぎ期間を設けることなどを実現させました。保健所を助けることはもちろんですが、その先の区民を助けるのだということを念頭に置いて取り組みました。

都電に「子育て応援スペース」が登場

荒木:もう1つは、都営大江戸線「子育て応援スペース」の実現です。これも声なき声だったんですね。というのも、子育て中の方がベビーカーに乗って移動するときに、電車の中で周りの乗客に嫌な顔をされて、電車移動が嫌になってしまったり、ストレスを抱えてしまったりするという声を聞きました。東京は核家族が多く、親族がサポートしてくれる環境が少ないので、サポートがない家庭でも子育てしやすい環境にしないと、この街の成長はないと思いました。「子育て応援スペース」の実現では、独身世代にも気づきや良い作用がきっとある。子育て応援スペースは子育て中の方に「乗って良いんだよ」というメッセージを届けると共に、みんなにとって意識を喚起できる場になればと思っています。

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