【インタビュー】筒井あやめ&秋田汐梨 パルコ・プロデュース『目頭を押さえた』でともに初の舞台主演
乃木坂46の次世代を担う最年少メンバーの筒井あやめとSeventeenのモデルとして活躍しつつも女優としても頭角を現す秋田汐梨がW主演を務める舞台『目頭を押さえた』が6月4日から東京・池袋の東京芸術劇場 シアターイーストで上演される。劇作家・横山拓也の作品はある社会問題を架空の土地の文化や因習に置き換え、そこに住む人々の人間ドラマをある時は軽やかに、ある時は喉元に匕首を突き付けられるような重厚な会話劇で描き出す。ともに初めての単独舞台出演にしてW主演を務める2人と横山に話を聞いた。
自らの役に共感。初めての稽古場は驚きと学びの連続
物語は伝統的に林業を生業としてきた関西圏の山間のとある集落を舞台に、写真家としての才能を開花させていく高校3年生の遼(筒井)と、その仲良しの従姉妹で同級生の修子(秋田)の二人を軸に、その家族や教師たちの人間模様を描き出す。現在、筒井は16歳、秋田は18歳とほぼ同年代の役柄を演じることとなる。
演劇の稽古場は初めて。一種独特の雰囲気があると思いますが。
筒井「最初はずっと緊張していたんですが、最近はやっとみなさんともお話しできるようになって、ちょっと楽しくなりました」
秋田「皆さん面白く場を盛り上げて下さるので、緊張はなく毎日楽しいんですが、映画やドラマのお芝居と舞台上でのお芝居は全然違って、会場全体のお客さんに伝わるように表現する難しさを日々感じています」
これまで事務所の先輩や友人が出演するなどで小劇場や演劇を見るという機会はありましたか? あればその感想を。
筒井「私は先輩たちが出ている舞台は何回か行かせていただきました。初めて見に行ったのは愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』という作品でした。すごく面白くて、感動しました。普段、ドラマとか映画とか映像でしかお芝居を見ていなかったので、生で見るのが初めてで、表現のリアクションの大きさとかも面白いと思いました」
秋田「私は今まで舞台を見たことがなかったんですが、このお仕事が決まって初めて見に行きました。最初はミュージカルを見て、2本目は横山さんの作品を見させていただきました。舞台がどういうものなのかも全く知らなかったので、お勉強のために見に行ったんですが、それを忘れてしまうほど見入ってしまって(笑)。純粋に舞台の面白さを体感できてとても良い経験になりました。」
横山「ストレートプレイを初めて見て、舞台に心を奪われる、引き込まれるような感覚をもし持たれたのなら、今度は自分が出る舞台でお客さんにそういう体験をさせて、舞台に引き込んでほしいなと思います」
タイトルと設定のギャップが激しい作品です。最初に脚本を読んだ時にどういう感想を?
秋田「伝統を扱ったお話なので、あまり馴染みがなくて、初めて台本を読んだ時は内容を理解するのにすごく時間がかかったんですが、読み込んでいくうちにラストの展開に鳥肌が立ちました。自分が演じることは置いといて、すごく素敵な舞台になるんだろうなって感じました。それからちょっとずつ役について考えたり、登場人物それぞれの心情の変化とかに注目して細かく読んでいったら、一見家族や親族の楽しくわいわいしている会話の中でも、疎外感を感じている人がいたり、実際の言動と思っていることが違うんだろうなと感じる部分があって、すごい深いお話だなと思いました」
筒井「脚本をいただいて読んだ時に私も伝統というものが一番最初に入ってきて“わ、難しそうだな”と思いました。私は理解力が本当にないので(笑)、難しいなと思っていたんですけど、稽古をやっていくうちに、家族の和気あいあいとした関西弁が入り混じった会話をみていても楽しいですし、ちょっとぎくしゃくした関係とかが見え隠れするところとかも面白いなと思って、徐々に楽しめるようになりました」