伊藤悠 東京都都議会議員: コロナ禍の都議は往診する町医者、 コロナで浮き彫りになった問題の解決がよりよい東京をつくる〈都議選2021〉


地方分権は、コロナだけではなく、有事の対応として整理しておかなければ


 地方分権の大切さや重要さもまた、コロナ禍で改めて確認したことだ。「コロナだからということだけではなくて、そのへんもっと整理できていたら良かったなって思ってます。都ではなく、国にやっていただきたいこともいっぱいあるわけですから、国と都の役割分担をはっきりさせないといけない」と、伊藤議員。

「緊急事態宣言下における一番のストレスは責任の所在の不明瞭さです。『それは国が決めてるの?』 『都が決めてるの?』『その基準は誰が?』『 戦略は誰が描いているの』って。余計にストレスがかかっている。全国一律のルールは国で。どこの施設にどういう制限をかけるかは自治体の首長に任せた方が私はいいと思うんです。特措法の法律を素直に読むと知事に任されているのに、運用しようとすると国と協議しろとなった。法律に書かれている権限と実際と違ってきて、そうなるとどうせ国が決めるなら決めてくださいとなって、都庁職員のモチベーションが落ちる。地方分権の話は以前から継続して議論されてきたことではありますが、コロナだけではなく、有事の対応として整理しておかなければと思います」

 7月は都議選。収束を目指して新型コロナ対策を継続するのはもちろん、コロナ禍でより明確になった問題に一つひとつ取り組んでいく。 

「まずは、コロナを収束させること。ワクチンという魔法の杖を早く振れるようにすること、そしてその杖を折らないようにすることが大切です。集団接種会場の設置、そして看護師のかたなど有志を集めなくてはいけません。魔法の杖を折らないようにするという意味では、変異株への対策です。変異を繰り返していくとワクチンが効かなくなる可能性も十分にありうるので、水際対策、危ないかもしれないという国からの入国は禁止というような判断を国に素早くしてもらうよう求めるのが僕らの仕事だと思っています。

 もう一つは商売。一回潰してしまうともう一回立ち上げるのは難しいですから、地方議会としてそういう細かい手当をするのが役割だと思っています。国会議員は大病院の院長ですが、僕らは町医者ですから往診してね、融資の借り換え然り、どうしたら事業継続ができるかと手当てをします。

 初めてのことですから、トライ・アンド・エラーです。トライもエラーもするなというお叱りもあると思いますが、日本に限らず、コロナに関しては、各国がトライ・アンド・エラーの繰り返しです。ですので、エラーが出たそれを早くつかみに行って、都に報告していきたいと思います」

 

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)

(いとう・ゆう)1976年12月2日東京生まれ。成蹊学園高等部卒、早稲田大学一文卒業後、国会議員公設第一秘書。2003年に26歳で目黒区議会選挙に最年少で当選、2005年に28歳で東京都議会選挙に最年少で当選。現在3期目。都民ファーストの会幹事長代理。新型コロナ対策特別委員長、経済港湾委員長を歴任、議会改革検討委員長、新型コロナプロジェクトチームの座長を務める。日本語学校の経営者でもある。妻と長女、長男の4人家族。
公式ホームページ:https://www.itoyuu.tokyo/

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