演出の妙を感じさせる作品 世田谷パブリックシアタープロデュース『オセロ』

世田谷パブリックシアタープロデュース『オセロ』

 常に独創的な作品を発表する世田谷パブリックシアターが、またもや新たなる挑戦に乗り出す。

 今回の題材はシェイクスピア四大悲劇のひとつとして知られる『オセロ』。そして白井晃が『オセロ』を現代の視線で再構成・演出する。白井がシェイクスピアを手掛けるのは遊 機械/全自動シアター時代以来となるから、それだけでもレアといえばレアなのだが、今回はなにやら演出がかなり特殊なことになっているという。

 俳優は単にその役を演じるだけではなく、“素の俳優”と“俳優が演じている役”という二重構造の中で演じ、心情をシンクロさせていく。演出家は本来の意味の役割を越え俳優に関わろうとし、俳優は時として素の心情で共演者に嫉妬の目を向ける…。

 例えば舞台に立つ仲村トオルは、その時「オセロ」なのか、「オセロを演じる俳優」なのか、それとも「素の仲村トオル」なのか…といった案配。

 二重構造というと劇中劇を思い浮かべるかもしれないが、今回の場合は異次元というか異空間といった趣。劇場構造をも駆使した壮大なる挑戦ともいえる作品。

【日時】6月9日(日)〜23日(日)(開演は月水金19時、木14時、土13時、日17時。※23日(日)は13時開演。19日(水)は14時の回、22日(土)は18時の回あり。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)
【会場】世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
【料金】全席指定 一般 S席 6500円、A席5000円/高校生以下 一般料金の半額(チケットセンターのみ取扱、要年齢確認)/U24 一般料金の半額(要事前登録、枚数限定)
【問い合わせ】世田谷パブリックシアター(TEL:03-5432-1515[HP]http://www.tokyuensen.com/event/detail/396/)
【作】W・シェイクスピア
【構成・上演台本・演出】白井晃
【出演】仲村トオル、山田優、赤堀雅秋、高田聖子、加藤和樹、水橋研二、有川マコト、白井晃 ほか