乙武氏「分身ロボットカフェ」開業に大学時代のバイト秘話明かす「障害者って仕事するの難しい」
難病や重度の障害で外出困難な人が分身ロボット「OriHime-D(オリヒメディー)」を操作して接客を行う「分身ロボットカフェDAWN ver.β(ドーン バージョンベータ)」の常設実験店グランドオープンを記念して21日、オープニングセレモニーが行われ、作家でタレントの乙武洋匡氏らが登壇した。
2018年11月に10日間の期間限定で10人のパイロットからスタートした「分身ロボットカフェ」。経験者は新人パイロットの管理など仕事の幅が広がり、海外から参加するパイロットや経験を経て企業で就労するなど、新たな働き方にもつながっているという。
「DAWN」アドバイザーを務める乙武氏は、自身の経験を交え「今から25年前、大学1年生になった私はアルバイトをしようかなと思いました。この身体なのでできるアルバイトとできないアルバイトがあって、テレホンアポインターならば自分に向いているのではないかと面接を受けにいったが、落ちてしまった。けっこう自信のある仕事だと思っていたのに2社目、3社目と立て続けに落ちてしまい、障害者って仕事するのが難しいんだとその時初めて実感しました」と語った。
その後、書籍『五体不満足』のヒットが仕事につながったが「もしあの本がなければ、私は今でも仕事というものに出会えていたか自信がありません。この社会というのは身体を運ぶこと、身体が自分で動かせることを前提として成立している。自分で選んだわけではないのに、自分で身体を動かすことができないとマイノリティとして、想定されていない存在として暮らすことや働くこと、友だちと会うことが長らく難しい状態にありました」といい、その状況を変えてくれたのが分身ロボットであると常設カフェの開業を喜んだ。