タイトルで勝っちゃった!「男の優しさは全部下心なんですって」を観てきた!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
先月末に公演が終わりまして、うだうだしつつも次の仕事に向かって動き始めた今日この頃です。
雨自体は嫌いじゃないんですが、ここ数日の豪雨は音がすごすぎて集中力を欠いたりして、ちょっとなあ…という感じです。
そんな中でも選挙には行きましたよ、はい。何がどう変わるかは分かりませんが、取りあえず行かないとね。
さあ、今週も始めましょう。
映画のタイトルって「ここを観て」ってメッセージがほとんどで「インディージョーンズ」なんかもう「インディを観て。あとクリスタルスカル」みたいな。
政治の不正を描いて最後にデモを無視して議会で眠る政治家のワンショットからの「悪い奴ほどよく眠る」、帰り道に意味を考えさせられる「三度目の殺人」とかね!
映画のタイトルはインビテーションでありプロモーションなので、出来るだけ丁寧かつ、簡単というか普遍的な言葉がいいんですけど、「よく考えるとわかる」系のおしゃれなタイトルつけちゃうと、前半お客さんが「何見てどこを追えばいいのかわからなくなる」危険性が高かったりします。
んで、この「男の優しさは全部下心なんですって」
その通りだし、誰でもわかってるよ!!!という内容のタイトル。
「空は青い」ってタイトルの映画で、いきなり青空映しちゃうぐらい「え、このあと2時間ナニ観りゃいいの!?」ってぐらいわかりやすい設問。
「ここを観て」にも「名詞」以外に「問いかけ」や「テーマ」「ひっかけ(謎)」みたいに色々なアプローチがあるんですが、この映画の何がすげぇって
いきなり「ちょろい女の子」の話が始まるんです。
ミロのヴィーナスが美しいのは「欠けた腕を想像するから」だと、誰かが言っていました。
この“当たり前のこと”といったタイトル「男の~」から始まっていますが、書かれていない「じゃあ、女は?」っつーところがテーマなのが素晴らしい。
若手の女性アーティストが集まり作られたこの映画がどこまで、意図的にしていたのかはわかりませんが、大勢の男性との恋愛模様が描かれる中で「女の下心」を、想像しながら観ることがタイトルのお陰でスムーズに入ってきました。
「ですって」の時点で、視点を女子目線に奪われてたんだよなぁ!やられた!
「俺もこの監督と恋愛して“映画”にされたい!」と、思える傑作でした。