ほぼ日本語セリフの『ONODA』カンヌ上映で約15分のスタンディングオベーション

映画『ONODA(原題)』第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映

 小野田寛郎旧陸軍少尉の実話をもとにした映画『ONODA(原題)』が現地時間7日、第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品としてワールドプレミア上映された。

 太平洋戦争終結後も任務解除の命令を受けられず、約30年もの間フィリピンの密林で生き続けた小野田寛郎旧陸軍少尉による自伝のフランス版「ONODA 30 ans seul en guerre(原題)」を原案に映画化。

 上映会場前のレッドカーペットには、アルチュール・アラリ監督はじめ製作スタッフが登場。また、日本からはキャストの森岡龍が参加。スケジュールの都合で現地入りできなかった小野田(青年期)役の主演・遠藤雄弥の顔のお面をつけて会場を盛り上げた。

 本編の劇中セリフは、ほぼ日本語ながら、カンボジアのジャングルで撮影された壮絶なシーンの合間に描かれる、浮世離れした“小野田さん”の一面に観客から笑いがもれるなど、反応は上々。上映終了後には約15分にもおよぶスタンディング・オベーションが起こり、アルチュール・アラリ監督も感無量の様子だった。作品としても賞レースの最有力候補作という呼び声が高く、好評な上映スタートを切った。

 現地時間8日には、新型コロナウイルス感染対策のためスケジュールが合わずにカンヌ入りできなかったキャスト・遠藤雄弥と津田寛治をリモートでつないで会見を実施するという異例の対応がとられる予定とのこと。

『ONODA(原題)』は2021年秋、公開(エレファントハウス配給)。

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