編集部が独断と偏見で見どころピックアップ「家でじっくり東京五輪」

4月10日、日本選手権で出場種目全制覇を成し遂げた池江璃花子(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

奇跡の復活の池江璃花子には自分の ことだけ考えて泳いでもらいたい!?

 水泳では奇跡の復活を遂げた池江璃花子に注目が集まる。池江はリオ五輪では7種目に出場。2018年8月のアジア競技大会では6冠を達成しMVPに輝くなど2020年の東京五輪に向けて着々と実力を磨いていたのだが、2019年2月に白血病であることを公表し、長期休養に入った。過酷な闘病生活を経て、2019年12月に退院。その時点では東京五輪は断念し、2024年のパリ五輪を目指すとしていたのだが、2020年に新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により五輪が1年延期というまさかの事態が発生。同年8月に復帰を果たした池江はその後、徐々に全盛期の泳ぎを取り戻していき、代表の座を獲得した。

 同じように病に苦しむ人たちに大きな希望を与える存在であると同時に、それゆえに今年に入ってから新型コロナの感染拡大により引き起こされた「五輪中止論争」の折にはSNS上で心無い言葉を投げられるなど気苦労が絶えない時期もあった。池江が「いい大会だった」と思えるような泳ぎをしてくれることを望みたいところだ。

 

男子サッカー 目指すは金メダル

 男子のサッカーはグループリーグで3試合を戦い、勝ち上がったチームが準々決勝に進む。決勝まで進めば6試合を戦うことになる。

 日本の五輪における男子サッカーといえば1996年アトランタ五輪の「マイアミの奇跡」が思い起こされる。日本がグループリーグ第1戦でブラジル代表を破ったあの試合だ。そんな大金星を挙げながらも日本はアトランタでは準々決勝に駒を進めることはできず、天国と地獄を味わった。それでも当時の主力メンバーの多くは後のフル代表の主力となった。

 サッカーはW杯という上位概念の大会があり、五輪ではU-24代表が戦う。いわば世界の若手スターのショーケースで次代のスターを探すという楽しみがある。また18日間で最大6試合という過酷な日程の中で一気に主役の座をつかむ者、大きな成長を見せる者、逆に大きな期待に潰され思うような活躍ができない者といったさまざまな選手が出てくる。人間模様が凝縮された18日間はスポーツとしての楽しみはもちろん、人間ドラマとしても見どころが満載だ。