「さみしくて孤独なオナニー」【36歳のLOVE&SEX】#13
7月21日は「オナニーの日」です。
0721の語呂合わせなので、ただのジョークです。
個人的には、0721は「オナニィ」という感じがして、7月2日の072で「オナニー」のほうがしっくりくるので、7月は2回の「オナニーの日」があるということにしています。
いきなり「オナニー」を繰り返してしまって申し訳ないんですが、皆さんはなんて呼びますか?
自慰? ひとりエッチ? セルフプレジャー?
いろんな言い方がありますが、表立ってオナニーについて話し合う機会は多くないと思うので、普段なんて言ってるか無自覚な方がほとんどかもしれないですね。
でもここはあえてちゃんと「オナニー」と言いたい気持ちが私にはあります。
オナニーという行為はあなたにとってどんなものですか?
パートナーがいないから、または、パートナーに満たされないから行う行為でしょうか。
たぎってたぎってしょうがない性欲を解消するための行為でしょうか。
それともトレーニングのように自分を向上させる目的の行為でしょうか。
そのどれもが正解だと思います。
9年前から女性向けのアダルト産業に携わってきましたが、当初女性にとってのオナニーは本当にタブー視されていました。
女性には性欲がない、女性はオナニーをしない、それが男性にとっても女性にとっても当たり前でした。
オナニーをしていることを知られるのは社会的に終わるんじゃないか、というくらい思い詰めていた女性も多くて、罪悪感を伴う行為でした。
2021年の今、信じられなくないですか? 私はちょっと信じられないです。
まだまだ完全にオープンになったとは言えないけど、伊勢丹やラフォーレ原宿にバイブが並ぶ時代です。テレビでもYoutubeでもTwitterでも、女性の性が語られることが肯定される時代ですよ。
当時は「オナニー=寂しい女性がするもの」というイメージが付きまとっていたことも、女性たちを不安にさせた原因だと思います。
男性中心の社会において、誰にも求められないことやパートナーがいないことは、女性にとって、社会的な居場所を感じづらい状況をもたらしていたように思います。
でも少しずつ、女性は女性としてしっかり自立し始めている。
誰かに求められないことは恥ずかしいことでもないし、誰かと一緒にいないとこの社会を生き抜けないほど無力ではなくなってきました。
私はそういう意味でも、「自慰」という言葉があまり好きではないのです。
他者に癒してもらえないから、自分で自分をしかたなく慰めているというニュアンスが、前時代的な感じがしませんか?
だから、しっかり「オナニー」と言いたいんです。
あとこれは、アダルトグッズの販売に携わって思ったことですが、オナニーをすることのメリットもあります。自分の体の感覚を知ることができるということです。
これは私自身がグッズのレビューをしたり商品をオススメしたりする過程で、実際に体験したことですが、どこを触ればとかどのように動かせばということはもちろんのこと、どう力を入れれば(抜けば)いいのかを知るタイミングは、オナニーしかないと思います。
人間の体は一人一人違っているし、自分の体がどういうものなのか、あなたはどのくらい知っていますか?
自分の体のどこに力が入りがちで、どんな癖があるかなんて、自分が知らないことを他人が最初から知ってるはずがありません。自分が知らなければ、パートナーに説明することもできませんよね。
だからオナニーは寂しいとか、オナニーしている自分は孤独だとか思わないで、自分の人生をよりよく生きるためにも、パートナーのためにも、プラスになることだと思ってほしいんです。
というか、そもそも、オナニーしている人生がさみしくて孤独だったとして、いったいそれの何が悪いのか。
さみしくても自分の人生を生きていけるのが、本当の自立ではないでしょうか。
他人と比較する必要がなく、判断基準を自分自身の中に持つことができるなら、孤独もすばらしいことではないでしょうか。
ならば、さみしさも孤独も大歓迎です。
だから、女性にとってのオナニーは、自立の証でもあるし、自分の人生を楽しむ手段を知っている、肯定的な行為だと思うんですよ。
営業、マーケティング等の部署を経て、2013年に女性向けアダルトサイト「GIRL’S CH」を立ち上げ。以来、GIRL’S CHの現場リーダーとして、サイト運営・企画・広報に携わる。
現在は新規事業の立ち上げを担当。