『空手バカ一代』レジェンドが集結で蘇る“熱狂”と“元気” TOKYO MX『空手バカ一代レジェンド同窓会SP』放送

 TOKYO MXの人気番組『バラいろダンディ』のスピンオフ企画として、伝説のスポコン漫画『空手バカ一代』連載開始50周年特別番組『空手バカ一代レジェンド同窓会 SP』が7月22日に放送される。番組では同作の連載開始50周年を記念し、その軌跡や思い出をレジェンドゲストや、バラダンメンバーらと共に振り返る。放送に先駆け、原作者・梶原一騎氏の長男・高森城氏と番組プロデューサーの齋藤勇太氏から話を聞いた。

漫画に登場した実在のレジェンドたち

梶原が表現した普遍的な価値を持つ“強さ”を感じてほしい

 まず、空手バカ一代への想いを教えてください。

 高森「野球、ボクシング、柔道、プロレス、サッカー…上げていけば切りがないほど梶原一騎はその作品で多くのスポーツ、武道を題材としています。作品によってその道を志した方をはじめ、多くの方の人生に影響を与え、その競技自体にも影響を与えたといっても過言ではないと思っております。その中でも特に『空手バカ一代』は、単に影響を与えただけでなく、大山館長と一緒に新たな歴史を作り、梶原一騎自身もその世界に身を置いたという意味で、唯一の作品です。梶原一騎も間違いなく衝撃や感動を受け、それを余すことなく伝えることで、世の中に空手ブームを巻き起こした梶原一騎の思いを、エネルギーを、改めて感じて頂きたいと思います」

 今回の番組出演にあたっての気持ちや意気込みを教えてください。

 高森「連載開始50周年を機に、レジェンド3人をはじめとした極真空手関係の方々が『空手バカ一代』の名のもとに出演くださいました。打撃系格闘技が百花繚乱となり盛り上がっていることは喜ばしいですが、極真空手という間違いないそのひとつの源流をたどる機会に興奮しています」

『あしたのジョー』や『巨人の星』など数々の名作を生みだした梶原一騎先生にとって、『空手バカ一代』という作品はどのような位置づけだったでしょうか?

 高森「梶原作品では創造されたキャラクターが実在のスターたちと同じ世界で活躍することでキャラクターにリアリティーが生まれます。現実を漫画の世界に登場させているわけですが、『空手バカ一代』では梶原一騎が作中で取り上げることで、英雄たちが世に知られていく漫画と現実が同時進行し、日本選手権、世界大会で実物を目にすることとなる。漫画を現実の世界に登場させて行く仕掛け人としての梶原一騎の最初の作品。この作品の後、漫画で描いた人物を、現実の世界に登場させたり、現実に登場させるためのキャラクターを漫画で作ったりしていくようになりました」

 先生と『空手バカ一代』に関しての高森さんだけが知るエピソードなどあれば教えてください。

 高森「第1回日本選手権決勝での添野総帥と山崎先生の判定については、本気で悩んだとうれしそうに話していたことがあります」

『空手バカ一代』の最も好きなシーンを教えてください。

 高森「オープニングこそ梶原一騎の真骨頂といえます。漫画の中の世界にしか存在しないような出来事、登場人物の超人性が、現実という注釈付きで描かれることによって、一気にストーリーだけでなく、主人公への興味が最大限にかき立てられる。このオープニングによって極真空手の隆盛がスタートしたといえるのではないでしょうか」

 現在、格闘技ブームが再燃していますが注目の空手家や格闘家がいれば教えてください。

 高森「空手ではないですが、やはり井上尚弥。世界でモンスターといわれるボクサーが日本から誕生するなんて梶原一騎も想像していなかったのではないでしょうか?」

『空手バカ一代』を通しての教訓や得られるもの、感じてほしい事を教えてください。

 高森「梶原一騎の中には強さへの尊敬、憧れがあり“強さとは何ぞや?”と言うことを多くの作品の中で追い求めています。そして強くなっていくとはどういうことか、また強いものが負う責務とはどういうものか、ということがこの作品では大きなテーマとなっています。“強さ”という言葉の意味は時代とともに大きく変わってきてはいますが、梶原が追い求め表現した、人にとって普遍的な価値を持つ“強さ”を感じていただけたらと思います」

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