黒谷友香「オリンピックで世界中が日本に注目している今こそ伝えたい」平和への思い

 

 最初に脚本を読んだときの印象を聞かれた高島は「教科書では知りえなかった現実が描かれていて知らなかったことに驚き情けなくも思い、そういう気持ちを込めて演じました」と振り返り「エキストラさんのお芝居がすごく上手だなと思ったら、地元の方々でした。きっと先祖に被爆者がいたり、話を聞いてきた方々。私も負けていられない、変な芝居はできないなと。地元の方に触発されました」と、原爆を語り継いできた長崎の人々の思いのこもった芝居に感嘆。

 先日、ロケを行った浦上天主堂などを再訪したという黒谷は「私本人として伺ったときに、日本人として世界に伝えていかなければならない場所だと改めて感じました」と話し「この映画に関わることができて本当に幸せに思っています。今、オリンピックで世界中が日本に注目しています。ぜひ世界の人に(1945年の)8月に、日本で何があったのか知ってもらえたら」と期待を寄せた。

 この日は、主題歌を担当した長崎県出身のさだまさしも「誰もが願う平和への思いが世界中に届きますように」とメッセージを寄せた。

 また、カトリック東京大司教区司祭の伊藤淳神父も登壇。伊藤神父は「本当のカトリック信者と違うなと思った場面が1つだけ。高島さんが祈る場面があるが、あれほど熱心に祈るカトリック信者を見たことがない」と茶目っ気たっぷりに高島の熱演を絶賛。高島は「光栄です」と照れながら「鹿がなぜ強くいられたのかというとやはり強い信仰心があったからだと思う。いつも神様とともにいるという気持ちを演技の間持っていたので、鹿も喜ぶと思います」と笑顔を見せていた。

 8月20日よりシネ・リーブル池袋他順次公開。