ユージン・スミスと東京の路上で出会い助手となった日本人写真家が当時の貴重な写真を公開
今回、当時ユージンの最も近くにいた2人、元妻アイリーン・美緒子・スミス氏と、元助手の写真家・石川武志氏が、本作の公開に向けコメントを公開。
アイリーン・美緒子・スミス氏は、1970年に通訳者として富士フイルムのコマーシャル制作に携わり、ユージン・スミスと出会い、結婚。その後、水俣に移住し共に水俣病の問題について取材を行った。アイリーン氏は「私の知るユージンは、決してあきらめず、何があっても真実と向き合う人。ユージンが大事にしていた人とのつながりの大切さを映画を通じて深く感じてもらえたら」と思いを寄せた。
そして、写真家の石川武志氏は、写真学校に通っていた1971年当時、ミナマタプロジェクトで来日中のユージン・スミスと東京の自宅近の路上で偶然出会い、アシスタントになった人物。助手として共に現地に行き、自身も水俣病に苦しむ人々を撮影。1975年に渡米し、ユージンのアパートに住みながら、写真集「MINAMATA」の出版などに立ち会った。そんな石川氏は「ユージンは僕に人生に必要なことをすべて教えてくれた人。僕をアシスタントとしてではなく、一人の人間として接してくれた」とユージンとの絆を振り返っている。
1975年、ユージンの助手を辞めフリーランスになった石川氏は、40年にわたる取材を経て水俣の過去と現在を写し出したフォト&エッセイ「MINAMATA NOTE 1971-2012 私とユージン・スミスと水俣」を2012年10月に出版。今回、その写真集に収録されている作品に加え、ユージンやアイリーンのプライベートが垣間見える姿をとらえた、石川氏だからこそ撮影できた貴重な写真を公開した。
ユージンが水俣で工場を前に撮影する様子や、水俣病患者に優しく寄り添う姿、無数のプリントの中で写真選びをするユージン、アイリーンとの仲睦まじい姿などが写し出されている。
『MINAMATA-ミナマタ-』は9月23日より公開。
【アイリーン・美緒子・スミス コメント全文】
私の知るユージンは、決して諦めず、何があっても真実と向き合う人でした。
映画を観た後のその想いを胸に、自分の花を咲かせてほしいです。
そして、ユージンが大事にしていた人との繋がりの大切さを映画を通じて深く感じてもらえたらうれしいです。
【石川武志 コメント全文】
ユージンは私に人生に必要なことを全て教えてくれた人。
私をアシスタントとしてではなく、一人の人間として接してくれました。
ユージン・スミスとアイリーンとの歴史的なプロジェクト「MINAMATA」に立ち会えたことは私の宝です。映画を通して、観客の皆様にもシェアして頂けたらうれしいです。