ユニークな多様性の祭典「パラリンピック見どころ総まとめ」【競技編】
8月24日に開会式を迎える「東京2020パラリンピック競技大会」。22競技・539種目が行われ、12日間にわたる熱戦を繰り広げる。アジアで初のパラリンピック開催となった1964年の東京大会から57年。再び東京に戻ってきたパラリンピックは、新競技の仲間入りや、競技用車いす・義足などの「パラリンピックギア」の進化、日本人選手のメダル獲得など、見どころが目白押し。注目競技とともに、奥深いパラリンピックの世界をご紹介。
グランドスラム車いす部門で歴代最多となる45回優勝の国枝慎吾。金メダルなるか(写真:アフロ)
金メダル大本命!世界最高峰のプレーで、男女金なるか
「日本には国枝がいるじゃないか」。テニスの絶対王者、ロジャー・フェデラーが、かつてある日本人選手の実力を絶賛した有名なエピソードがある。その選手こそ、車いすテニス男子シングルス世界ランキング1位の国枝慎吾だ。四大大会のシングルス、ダブルスでの優勝経験は史上最多の45回、日本が誇る超一流の車いすプレーヤーだ。長く車いすテニス界を牽引してきた国枝は、今大会でもアテネ大会から5大会連続のパラリンピック出場を日本最速で決めた。タイヤが「ハの字」に取り付けられ、回転性が高い競技用車いすを巧みに操る「チェアワーク」や、素早いターン、多彩なストローク、迫力のスマッシュなど、繰り出される技の数々は必見。前回リオ大会では、北京、ロンドンに続くシングルス3連覇を逃しており、東京大会で2大会ぶりの王座奪還を狙う。女子はロンドン、リオに続き、3大会連続出場の上地結衣に注目。女子では珍しいバックハンドスピンを使いこなし、2020年は全豪、全仏で優勝するなど調子も上々。前回リオ大会では銅メダルを獲得した上地が、有明コロシアムを舞台に表彰台の頂点を目指す。