男たちが役を入れ替えながらモノローグを綴っていく「ティーファクトリー『4』」

ティーファクトリー『4』

 本公演は昨年5月に世田谷パブリックシアターで上演される予定だったのだが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止による緊急事態宣言が発出された影響で延期となっていたもの。

 1年3カ月の時を経て全スタッフ・キャストそのままに上演されることとなった。

 この戯曲は2011年に世田谷パブリックシアター学芸企画〈劇作家の作業場〉「モノローグの可能性を探る」という上演予定のないワークショップからスタートし、改稿とリーディングを重ねるなかで2012年に白井晃氏の演出で舞台化され、鶴屋南北戯曲賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を受賞するなど高い評価を得た。その後、ニューヨーク、ソウル、コペンハーゲンといった世界各国でも上演された。今回は川村自らが演出を手掛ける。これまで川村が他のカンパニーと演出家に書き下ろした戯曲をティーファクトリーで上演したことはなく、かなりのレアケース。

 物語は5人の男たちが役を入れ替えながらモノローグを綴っていく独特なスタイルで進む。どうやら被害者の遺族らしい彼らのモノローグから生と死、感情の停止といったものが浮かび上がる。

 コロナ禍で1年延期され、東日本大震災から10年の今年、この作品が上演されるというのも何かの縁と感じざるを得ない。

ティーファクトリー『4』
【日時】8月18日(水)~24日(火)(開演は18・19・23日19時、20日15時、21・22日13時/18時、24日14時。開場は開演30分前、当日券は開演1時間前)
【会場】あうるすぽっと(池袋)
【料金】全席指定 6000円/障がい者割引 5000円(TFメール予約のみ取扱。介助者1名まで同額。要手帳提示)/U30(平成4年以降生まれ)4000円(TFオンライン前売のみ取扱い。枚数限定引換券。当日要確認書)/高校生以下 2500円(TFメール予約のみ取扱。枚数限定。当日要確認書)
【問い合わせ】ティーファクトリー(TEL:03-3344-3005〔HP〕http://www.tfactory.jp/
【作・演出】川村毅
【出演】今井朋彦、加藤虎ノ介、川口覚、池岡亮介、小林隆