「C.C.レモン」「キャンパスノート」「カルビー」の「C」を消そう! 企業が仕掛ける軽やかな寄付アクション「#deleteC大作戦」とは?

昨年の投稿イメージ(deleteC提供)

 9月4日、企業のSNSアカウントから「みんなでCを消そう!」と一斉に呼びかけがあった。それを受けて「C.C.レモン」「キャンパスノート」「カルビー」の「C」の部分を消した商品画像などがSNSで投稿されている。企業が自社の大事なロゴを消費者に消すように呼び掛けるのは一体どういうことなのか?

 これは、“みんなの力で、がんを治せる病気にするプロジェクト”「deleteC」の活動の一環であり、9月4日から始まった「#deleteC大作戦」というSNS上での寄付アクション。「C」は、がんを意味する英語「キャンサー(cancer)」の頭文字。プロジェクトに賛同した企業・団体は、社名やブランド名にある「C」を消した画像を投稿すると、がんの治療研究を行う医師や研究者に対してdeleteCを通じて研究費が寄付されるというもの。寄付となるとつい身構えてしまいがちだが、日常生活の中で「C」を消すだけで、がんの治療研究の一助になり、誰もが気軽に参加できるカジュアルな寄付アクションなのだ。

「deleteC」代表理事の小国士朗氏は「がんはとても身近な病気ですが、がんの治療研究となると、ふだんの暮らしからは距離が遠いのが実情。その距離をぐっと縮めるために、日常生活でなじみのある“あの商品”や“あの企業”のCを消すというアクションを思いつきました。企業の方々にお話を持っていくとき、みなさんが大切にしているCを消すということで、怒られるかも…と思ってドキドキしましたが、むしろ『自分たちのCが役に立つのなら』と前のめりに参加を表明してくれました」と語る。

 

#deleteC大作戦

「#deleteC大作戦」は、昨年9月に初めて実施され、9000件超の投稿・のべ100万人が参加し、計3000万アカウントへリーチ。総額225万円が、がん治療研究への寄付・啓発費用として送られた。

 今年は、サントリー食品インターナショナル、カルビー、コクヨ、ニチバン、NTTコミュニケーションズ、セメダイン、アサヒ飲料、グラフィコの計8社が参加。

 また、企業だけでなく、スポーツ界からもMLB シアトル・マリナーズでプレーする菊池雄星、FC今治の代表取締役会長兼オーナーの岡田武史氏、東京サントリーサンゴリアスに所属し、ラグビー日本代表としても活躍する中村亮土、元ラグビートップリーグ・クボタスピアーズOBの稲橋良太氏、音楽界からはアーティストのAIら5名が「deleteC」公式アンバサダーに就任するなど年々「deleteC」の輪が広まっている。

 日本では、毎年100万人以上が新たにがんに罹患し、生涯2人に1人はがんに罹り、3人に1人が命を落とすと言われている。このようながんを治せる病気にするために、個人、企業、組織などの立場を越え、軽やかに寄付や啓発を促すのが「deleteC」だ。日本では教育段階での寄付体験が少ないため、寄付は身近なものではなく、心理的ハードルは高い。身近にあって普段から親しんでいる商品やサービスのCを消すだけでできる寄付は、日頃がんを遠ざけたり、深く知ろうと思わない人も気軽に参加できるのではないだろうか。