「愛されたいよ、幸せになりたいよ…」桃ちゃん号泣⁉なぜか幸せになれない彼と彼女の事情 内田理央主演『来世ではちゃんとします2』第5話〈ドラマでしゃべりたい〉
内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします2』(テレビ東京、毎週水曜深夜0時40分)。9月8日に公開された第5話は、内田理央演じる主人公、桃ちゃんとその同僚、林くん、檜山くんのそれぞれの恋模様が描かれた。
それぞれが恋愛において何かしらの苦悩を抱えており、何もないわけではないものの、うまくいくわけでもない彼女たちの恋愛人生。なぜ桃ちゃんたちは、幸せになれないのだろうか。
全然幸せになれない桃ちゃん、林くん、檜山くん
第5話は3本編成で、林くん、檜山くん、そして桃ちゃんの恋模様と心の内がそれぞれ描かれる。
/
本日深夜0時40分からは
ドラマParavi #来世ちゃん2 第5話🌻
\惚れかけていた梢(#浦まゆ)がソープ嬢だと知りショックを隠しきれない林(#後藤剛範)😨しかし、仕事復帰を手伝ったことをきっかけに梢から告白を受ける‼️ピュアな林は、イイ関係の女装男子・凪(#ゆうたろう)に相談し…💞 pic.twitter.com/DcZd0ZFd5e
— テレビ東京宣伝部 (@TVTOKYO_PR) September 8, 2021
檜山くんと林くんは、第3話からそれぞれ別のソープ嬢に対して淡い恋心を抱いている。しかし、相手の職業だったり、客と風俗嬢という金銭の発生してしまっている関係だったりで、普通の恋愛ではなかなかないようなクセの強い苦悩を抱えている。
一方桃ちゃんは第4話で第5のセフレ・Eくんとひょんなことから同棲生活を始めるのだが、結局本命としては選んでもらえず、あえなく玉砕。セフレで空いた心の穴をセフレで埋める日々の中、道端で「愛されたいよ、幸せになりたいよ」と号泣してしまう。
林くんも檜山くんも、桃ちゃんと同じく「好きな人に愛されたい」と思っている。しかしなんせ、全員見ている相手が悪いのもある。風俗嬢と、都合のいい時に呼び出されるセフレ……。「もっと普通の人を選べばいいのに」と思う方も多いかもしれないが、彼女たちからしてみれば「普通の人ってなんなんですか」という話なのだろう。
筆者の身の回りにいるこじれアラサーもたいていそうなのだが、恋愛観をこじらせている人の多くは、異性を選ぶにあたって趣味が悪い。ダメ男、ダメ女が好きなのである。それ自体は口で説明できるような理屈はなく、ただダメな人が好みなのだから、仕方ないのだ。しかし、ダメな人との恋愛はたいてい付き合うまで至らなかったり、長続きしなかったりするので、本人たちはひどく疲弊する。
だからこれはやっぱり、彼女たちの自分自身との戦いなのだ。ダメな人を好きになってしまう自分と、普通の幸せを願ってしまう自分。好きなもんは好きなのだから、ダメな人と生きていくのも、世間でいう「普通の幸せ」に向けて、自分の価値観を捻じ曲げてみるのも、どちらも”人生”という感じがする。
桃ちゃんと松田くんが急接近⁉似たものどうしの2人だけど…
非モテ男子ズの恋愛はまだまだ平行線が続きそうな様子だが、後半、桃ちゃんの恋愛模様には一筋の光が差し込む。まさかの伏兵、小関裕太演じる同僚の松田くんと桃ちゃんの距離が急接近。やり方は違えど、お互いに性に奔放でありながら、どこか満たされない喪失感を抱えている、ちょっぴり似たもの同士の2人。第4話でも一触即発、持ち帰られるかどうかの瀬戸際だった。
さて、現実で考えてみると、性に奔放な男子と女子のカップリングは、あまり目にしたことがないように感じる。性に奔放な人たちは、なぜか本命の恋人は意外と堅実で真面目な人を据えている。自分たちが火遊びをするからこそ「本命の恋人にはそういうことをしてほしくない」という、ある意味身勝手かつ人間らしい泥臭さを抱えているようだ。性行為ひとつで、心変わりしたり人生を変えてしまったりする人々と関わっていると「こんな人を本命にはできない」と思ってしまうのかもしれないし、地雷を避けていくと、最後は消去法で真面目な人を選んでしまうのかもしれないが……。
そういう意味では、桃ちゃんと松田くんのカップリングはどうなのだろうか。桃ちゃんの方はなんとなく、付き合った相手には一途になってくれそうな雰囲気もあるが、松田くんの方はなんとも言えない。男性と女性では、落ち着いた生活のために妥協できる時期が5~10年はずれてしまうことが多い。桃ちゃんは30歳を手前に婚活を始めるくらいには平和な生活を渇望しているが、松田くんはどうだろうか。
第2話では自分に好意のある女の子の前でも「今日が楽しければそれでいい」とでも言いたげな、後先考えない行動を繰り返していた。平穏のために何か妥協しようという様子は見えない。都会で働く男は、なかなか20代のうちに、平穏な生活や結婚のために妥協しようとは思えない。だって、その場しのぎで生きていても、特にデメリットがないのだ。女性と違って、自身が妊娠するわけではない男性には、20代のうちから結婚に焦る必要性はないのである。
しかし、桃ちゃんの方は道端で「愛されたい」と号泣するくらいには、寂しさと焦りの限界値が近づいているように見える。”平穏な生活””普通の幸せ”に対する価値観に関しては、大きなずれがありそうにも見える桃ちゃんと松田くん……。2人はどうなっちゃうのだろうか。第6話に期待だ。
(イラストと文・ミクニシオリ)