山崎育三郎、長州弁に悩まされる! 初大河の『青天を衝け』で伊藤博文
伊藤は篤太夫(栄一)ともつながっていく。
「伊藤も品川御殿山の英国公使館焼き打ちしたり、少し攻撃的な部分を持っています。未遂に終わったものの栄一もそういう経験があると聞いて、同じ匂いがするというか、同じ魂を持っている奴なんじゃないかと興味を持つんです。栄一の才能を見抜く力もあったと思いますし、同志というか、彼とだったら国を変えていけるんじゃないかという思いもあったんだと思います」
役柄同様、吉沢と山崎にも共通点があるという。
「彼は男前で美しいですけど、もともと持っているものが男臭いんです。僕自身もミュージカルをやったり、朝ドラ(『エール』)でプリンスをやってるから中性的に見られたりもしますが、吉沢君も僕も男4人兄弟で、男臭い中で育っているんです。だから話していても合う(笑)。本来の渋沢栄一に近いものをもっているんじゃないかなって思います」
それが演技に生きたと思えるシーンも。
「伊藤自身が栄一に興味を持つシーンで、掛け合いみたいになる瞬間があるんですけど、あれは(相手が)吉沢君だからこそできたお芝居だったかなと思います。感覚として、お互いに信頼できて、表現をぶつけ合えました。根本的な男っぽさを持っている気がして、一緒にやっていて気持ちがいい」
「長州弁と戦っています」
さて、山崎自身の話に戻そう。意外にも大河ドラマには初出演。「大河ドラマに出演することはミュージカルでいう帝国劇場の舞台に立つようなあこがれのステージ」だというが、そのあこがれの場で長州言葉に苦められている。
「方言指導の方に指導していただいているんですが、音にとらわれずに自分の芝居、表現をしていくという意味で長州弁と戦っています。音楽をやっているので、(長州弁を)メロディーのように取っていくと楽なので、そこから始めるのですが、一つの音が外れたりすると長州弁に聞こえなかったりするんですよね」
山崎の大いに長州弁も気になるところだが……ところで、歌う場面はある?
「今のところはないですね。いや、歌わないんじゃないですかね(笑)」
『青天を衝け』は、 毎週日曜、NHK総合で20時から放送。BSプレミアム・BS4Kで18時~。再放送土曜13時5分~。
(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)