「女性の社会進出」はもう古い?これからの幸せな働き方を考える

「どう生きたいのか、どう働きたいのか」を問いかける「HOWの選択」が大切だと、安藤さん

「HOWの選択」をしよう

安藤:今のお話を聞いて、「HOWの選択」だなと思いました。「どう生きたいのか、どう働きたいのか」の問いを自分に投げかけるのって本当に大切。託児所サービスのある会社を選ぶ、今よりも給料を上げる、独立・起業をするなど、選択肢はたくさんあります。会社員とフリーランスどちらも経験した私の立場からいえば、フリーランスの方が比較的、時間も場所も自由です。あとは、仲間を集めていけば良い。自分で環境を作っていけば良いのだと思います。

実は、こうした働き方に至るまで、会社員最後の2年間を使って、3000人の人に話を聞きました。大企業の社長さんから、会社員、フリーランス、大家さんや投資家として副収入を持っている方など、本当に様々な働き方をする人たちです。その中で、一番私の心にしっくりと来たのが、フリーランス。しかも、「ノマドワーカー」という、オフィスを持たず、社員も雇わず、それぞれが「ルパン三世」の世界のように、プロジェクト単位で仕事をしていく、自由度の高い働き方に心惹かれました。

たくさん話を聞いたことで、「こういう働き方をしたい」と確信を持つことができました。今ならインターネットに活路を見出すことができますよね。オンラインサロンに入ってみるとか、SNSで気の合いそうな仲間を見つけてみる、友達とオンライン勉強会を開いてみるなど、直接会えなくても、選択肢はたくさんあると思います。

齋藤:あと「女性の働き方」をテーマにすると、必ず「女性は働かなくてはいけない。働かない女性は能力がない」というメッセージと誤解されがちですが、そうではない。家庭を守ることに生きがいを感じる方もいて当然で、社会で働き続ける選択肢もあれば、家を守る選択肢もあります。自分が幸せに生きていくために、どんなバランスでやっていきたいのかを考える機会を持つのは大事ですよね。

子育てとの両立でいえば、例えば、中国では、職業としてシッターさんを活用したり、両親との距離が近かったりして、「子どもはみんなで育てる」という文化が浸透しているんですね。日本でも親元から離れた母親たちが孤立するのではなくて、地域で子育て経験のある方を活用したり、もっとサービスを気兼ねなく利用できたりする社会になれば良いなと思います。お母さんは家事や育児、産後の身体のケアなど、体力的・精神的に本当に大変。そういったことで働くことを諦める女性がいるとしたら、周りが協力することでもっと自由になってほしいと願っています。

安藤美冬(作家・コメンテーター)
1980年生まれ、東京育ち。 累計発行部数20万部、新しいフリーランス・起業の形をつくった働き方のパイオニア。慶應義塾大学在学中にオランダ・アムステルダム 大学に交換留学を経験。 ワークシェアに代表される、働き方の最先端をいく現地で大きな影響を受ける。新卒で株式会社集英社に入社、7年目に独立。 本やコラムの執筆をしながら、パソコンとスマートフォンひとつでどこでも働ける自由なノマドワークスタイルを実践中。「情熱大陸」「NHKスペシャル」出演、「Mr.サンデー」「あさチャン!」コメンテーターを務めるなどメディア出演多数。最新刊に『つながらない練習』(PHP研究所)『売れる個人のつくり方』(clover出版)がある。
齋藤ソフィー(シマラヤジャパン株式会社 代表取締役副社長) 上海外国語大学卒業後に日本へ留学。慶應義塾大学大学院日本文 学修士課程卒業後に大手IT 企業を経て独立。独立後はコンテンツプロデューサーとして、様々な日本発のコンテンツを中国へ紹介し定着させた実績を持つ。中でも日本の文化人を中国に紹介する活動を得意とし、コンサルタントの神田昌典氏、作家の本田健氏や近藤麻理恵氏等、著名人の中国講演の実施やコンテンツのマーケット拡大戦略の実現に広く貢献。「声は生活をより美しくする」というXimalaya(himalaya中国本体)のビジョンに共感し、2017年11月からシマラヤジャパン株式会社副社長に就任。最高の学習コンテンツを日本、そして世界へ広げていく使命を持っている。
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