WEリーグ開幕戦 植木理子の先制ゴールとその過程【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

撮影/文章:長田洋平(2021年9月12日 WEリーグ開幕戦 日テレ・東京ヴェルディベレーザ vs 三菱重工浦和レッズレディース)

女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」が先月開幕した。

僕が撮影に入ったのは、優勝候補と目される2チーム、日テレ・東京ヴェルディベレーザvs三菱重工浦和レッズレディースの一戦だ。
舞台は味の素フィールド西が丘。大きくはないが、サッカーを身近に感じられる、個人的には好きなスタジアムの一つだ。実際に会場に足を運んだ観客は小さい子供も多く、女子サッカーの地盤を感じさせる雰囲気が広がっていた。

今回選んだ写真は、そんな開幕戦の先制ゴールのシーン。
最終ラインの裏スペースを再三狙っていたベレーザの小林里歌子と植木理子のコンビネーションが生んだゴールだ。
僕からしたらクロスを上げた小林のポジショニングが嫌らしかった。シュートもクロスも打てる位置にいられるとカメラマン的にはシュートの線を捨てにくい。クロスが来ると分かり切っていれば中の選手を見ていればいいのだが。

その小林が左足でグラウンダーのクロスを入れると、ファーサイドに走り込んだ植木が右足で押し込んだ。その過程で僕が一瞬惹かれてしまったのは、浦和ディフェンダー・高橋はなの目線だ。反射的に、つい撮ってしまった。
このことで植木を捉えるのが一瞬遅れてしまい、ピントが合った時はすでにボールはゴールネットを揺らしていた。

ゴールシーンを撮るのは難しい。
幸運にもゴールを決めた植木が僕の方に走ってきた。撮りたかったのはこれだったので、まあ結果オーライだ。

試合はその後2点を返した三菱重工浦和レッズレディースが勝利した。
試合展開・内容ともに素晴らしい好ゲームだった。WEリーグをまた見たいと思ったお客さんは多かったのではないか。
僕も次の撮影が楽しみだと思って帰ることが出来た。次は運に頼らず良い結果を出したい。

■カメラマンプロフィル
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。

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アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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