「新しい波」【36歳のLOVE&SEX】#18

こちらがWEHVE。装飾もシンプルでクール。

 女性向けのアダルトグッズに備わる機能というものは、ほとんど出尽くしてしまっていると思う。

 震える(強弱がつく、リズムがつく)、暖かくなる、遠隔で操作ができる、回転する、ピストンする。

 そこに加えて、デザイナーこだわりの形だったり、他にない素材だったり、どの部位に使用するかというアイディアなどの掛け合わせで、オリジナルな商品が生まれることがある。

 

 例えば以前このコラムでも紹介したドリーミィーの商品だと、形を女性スタッフがこだわって作っており、その独自性・デザインは唯一無二だ。

 一方でirohaはアダルトグッズには見えないデザインが注目を集めた。

 最近だと海外ブランドのZALOの製品が、セーラームーンのアイテムのような装飾がかわいくて印象的だった。

 使用する部位という点では、1~2年前から乳首につけて振動させるアイテムが密かなブームとなったりしている。

 

 良いアダルトグッズというのは、開発者のアイディアとこだわりがあってのものだ。

 こういうものが流行っているから、と流れに乗ったような商品にもたくさん出会ったが、記憶からはどんどん薄れていってしまう。

 さらに今後は、機能面でのこだわりに加えて、日常の中でどう使ってほしいか、使用する人に性についてどう捉えてほしいか、という理念も影響してくるのではないだろうか。

 

 以前は、性欲もアダルトグッズも「恥ずかしいもの」「隠したいもの」だった。

 今は「本当はみんなあるもの」「こっそり使うもの」くらいには変化していると思う。

 これからは「使ってどんな気持ちになってほしいか」「使うことでどんな人生を送ってほしいか」がグッズの価値をわけるのではないだろうか。

 いや、これまでも制作者はそこまで考えて作っているはずだが、ようやく時代がそれに気づきはじめたと言っていいと思う。

 

 最後に、WEHVEに関して、本当に個人的な意見。

 前述したような理由から、私だったらおそらくパステル系かピンク系の色で作ると思う。ブルーは性欲が減退する色だと言われていて、実際になるべく使用しないようにしていた時期もある。

 そんな中で、あえてこの色をチョイスして、ブランドの1発目のセックストイはこれで勝負するという心意気と、ブランドの意志の強さにとても感動した。

 性欲は人を興奮させるものだが、セックストイを通して癒しやリラックスにつなげようとする価値観も新鮮だ。

 これからどのように展開していくか、いち消費者としてとても楽しみです。

 

BONHEURのサイトはこちら https://store.bonheur-inc.com/

 

田口桃子…2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2013年に女性向けアダルトサイト「GIRL’S CH」を立ち上げ。以来、GIRL’S CHの現場リーダーとして、サイト運営・企画・広報に携わる。
現在は新規事業の立ち上げを担当。
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