森鷗外の内面の謎に迫った作品 二兎社公演45『鷗外の怪談』

二兎社公演45『鷗外の怪談』

 この『鷗外の怪談』は高名な作家として尊敬を集める一方で、政権中枢に近い陸軍軍医総監でもあった森鷗外を家庭生活の場から描き、その内面の謎に迫った作品。2014年に初演され、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞および芸術選奨文部科学大臣賞(永井愛)を受賞するなど、高い評価を受けた。

 この永井愛近年の代表作の一つが出演者を一新し、7年ぶりに再演される。

 言論・表現の自由を求める文学者でありながら、国家に忠誠を誓う軍人でもあるという、相反する立場を生きた鷗外役に松尾貴史。松尾は二兎社が2018年に上演した『ザ・空気 ver.2』では“総理のメシ友ジャーナリスト”を演じ好評を博した。

 松尾自身、かつては多面性の極みのような芸を披露し、今もテレビ・ラジオはもちろん、映画・舞台、イベントなど幅広い分野で活躍する。そんな松尾が鷗外の二面性にどうアプローチするかはとても興味深いところだ。

二兎社公演45『鷗外の怪談』
【日時】11月12日(金)~12月5日(日)(開演は月金18時、火日13時、木土13時/18時。水曜と29日(月)休演。開場は開演30分前、当日券は開演1時間前)
【会場】東京芸術劇場シアターウエスト(池袋)
【料金】全席指定 一般6000円/25歳以下割引 3000円(枚数限定。要証明書。二兎社、東京芸術劇場ボックスオフィス、チケットぴあにて取り扱い)、高校生以下 1000円(枚数限定。要学生証。東京芸術劇場ボックスオフィスにて取扱)/ギフトチケット 一般・25歳以下割引対象(枚数限定。購入時に日時指定は不要。 二兎社のみ取り扱い)
【問い合わせ】二兎社(TEL:03-3991-8872=平日10~18時〔HP〕http://www.nitosha.net/index.html
【作・演出】永井 愛
【出演】松尾貴史、瀬戸さおり、味方良介、渕野右登、木下愛華、池田成志、木野花