「飲食店は原則禁煙」で外食産業に約8400億円のマイナス影響?

16日には法案に対する懸念の声を届けるべくJR蒲田駅前で街頭署名が行われた

 東京都たばこ商業協同組合連合会らが16日、一律過度な喫煙規制への懸念を持つ人々の声を集めるべく、JR蒲田駅前で受動喫煙防止対策に関する街頭署名を行った。

 今国会では、公共施設やサービス業など建物内を一律原則禁煙にする「受動喫煙防止対策の強化」の法律案が検討されている。1日には喫煙に厳しく対処する厚生労働省の法案原案が公表されたが、その案をめぐって規制慎重派を中心とした自民党側と厚労省が対立。

 厚労省案は小規模なバーやスナックを規制対象外とするなど、例外場所を盛り込んだが、飲食店は原則、建物内を禁煙とする厳しいもの。これに対し、日本医師会は例外を認めることにも反対の立場を示しているが、禁煙義務化に反発し対策を発表している自民党の「たばこ議員連盟」(野田毅会長)は「原理主義的だ。禁止を前提にして進めるやり方はだめだ」と一蹴するという構図となっている。

 3日には民間調査機関の富士経済は厚労省案が成立した場合の外食産業に与える影響を、「居酒屋・バー・スナック」「カフェ・喫茶店」「レストラン」といった3業態の外食店約1000軒に行ったアンケート調査を発表。その結果に基づき、約8400億円のマイナス影響が出るとの結果をまとめた。ちなみにこの数字は2015年度の外国人観光客の年間飲食費6420億円を上回るものとなっている。