軍司泰斗が第2代Krush-53kg王座獲得【9・8 Krush.80】
2Rまでに3つのダウンを奪い隆聖を圧倒
「Krush.80」(9月8日、東京・後楽園ホール)のメーンで行われた「Krush-53kg王座決定戦」で軍司泰斗が隆聖を判定で下し第2代王者に輝いた。
軍司は出貝泰介との時期挑戦者決定戦に勝利し、時の王者・武居由樹への挑戦の予定だったのだが、武居は4月に行われた「K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝しK-1同級王者に。階級変更に伴い王座を返上したことから改めて王座決定戦を行うこととなり、軍司はそのままエントリー。
対する隆聖は初代王座決定トーナメントで決勝に進出。武居から最初にダウンを奪いベルトに手をかけたが逆転負けを食らい涙をのんだ。今回は隼也ウィラサクレックとの試合を制し、この試合に臨んだ。
試合は1Rから軽量級らしいスピーディーな展開となるが、パワーでも勝る軍司がプレッシャーをかけロープに追い込む場面が目立つ。1R中盤、軍司は左右フックの連打。倒れはしなかったものの前のめりにバランスを崩した隆聖にダウンの判定が下る。
粘る隆聖に会場からは大「隆聖コール」
なおも連打で追い詰める軍司。足を使って距離を取る隆聖だが軍司はコーナーに追い込むと右ストレート。これまた倒れはしなかったものの大きくバランスを崩した隆聖に2度目のダウンの判定。あとひとつのダウンでKO負けとなる隆聖だったが残り10秒をしのぎ切り、1Rが終了。
2Rもプレッシャーをかけ前に出る軍司はコーナーに詰めパンチのラッシュに飛びヒザで追い込む。しのいで距離を取った隆聖だったが、軍司は左の前蹴りを顔面にクリーンヒット。今度はしっかりとしたダウンを奪う。
鼻血を吹き出しながらも、まだ“目は死んでいない”状態の隆聖は果敢に反撃。その姿に会場からは大「隆聖コール」が起こる。それでも軍司はパンチの連打から右ハイキックと容赦のない攻めを繰り出す。
軍司は来年3月での武居戦をアピール
3Rは後のない隆聖が先手を取ってパンチを繰り出すが、軍司は足を使って交わすと1、2R同様に強烈なプレッシャーをかけ徐々に追い込んでいく。残り30秒で、強烈な右ストレート、前蹴り、右ストレートと“倒せる攻撃”を何度も繰り出すが、隆聖は意地を見せ最後まで立ち続けた。
判定はジャッジ三者とも30-24と圧倒的なものだったが、軍司は「1RKOを狙っていたができなくてすいません。ここからがスタート。強い相手とやってベルトの価値を高めていきたい」と反省の弁。そして「ずっと武居選手とやりたいと言っていましたが、まだ組まれていないので、良かったら(来年)3月のさいたま(スーパーアリーナ大会)で組んでください」と武居戦をアピールした。
KOできず功也は笑顔なき勝利
セミファイナルでは2月の「K-1初代ライト級王者決定トーナメント」以来の復帰戦となる卜部功也がヤニック・レーヌ(フランス)と対戦。3-0の判定で復帰戦を飾った。
試合開始早々、レーヌは多彩なキックとパンチを繰り出す。しかし1R序盤、それをさばいた功也がコーナーに詰めたところでバッティング。レーヌが右目じりをカットしてしまう。
試合再開後、功也は右ハイキックからのパンチのラッシュであわやの場面を作るがレーヌもしのぐと左フックからの右アッパーなどテクニシャンぶりを発揮する。
しかし試合の主導権は完全に功也のもの。2Rも左ストレートを打ち抜くも、レーヌは足を使って危機回避。追撃を許さない。3Rも圧倒するも倒せない展開が続き、終了のゴング。
功也は小首をかしげコーナーに戻ると大きく首を振る。最後まで試合内容に納得がいかない表情で笑顔のない勝利となった。
登坂が3ダウン奪うインパクト大の復帰戦
この日の第3試合では登坂匠が2年ぶりの復帰戦。鈴木優也を1R2分30秒、KOで下し、インパクト大の復帰を果たした。
ブランクを感じさせない軽快な動きを見せる登坂は1R中盤、パンチのコンビネーションで最初のダウンを奪うと、左右の連打で続けざまに2度目のダウンを奪う。
後がない鈴木も反撃に出るが、登坂のパンチは止まらない。鈴木はロープにもたれズルズルとダウン。3つのダウンを奪い登坂がKO勝ちした。
登坂は試合後リング上で「この2年いろいろなことがあって…」と声を詰まらせながらファンと関係者に感謝の言葉を述べると、「僕はまだK-1に出ていない。僕、面白いと思うので55kgで使ってください」と本部席の宮田充K-1プロデューサーにアピールした。