那須川天心がアマボクシング5冠王とMMAで対戦【10・15 RIZIN】

会見の最後の2ショット。藤田(右)はジャケットを脱ぎ捨てその筋肉を披露した

アマ時代は井上尚弥らと「三羽ガラス」と呼ばれた逸材
 RIZINが9月11日会見を開き、「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 1st ROUND –秋の陣–」(10月15日、福岡・マリンメッセ福岡)の追加対戦カードを発表した。

 那須川天心がMMA特別ルール5分×3Rで藤田大和と対戦する。

 藤田はアマチュアボクシング界では弟・藤田健児とともに「藤田兄弟」として知られた存在。11日に米国でWBO世界スーパーフライ級王座を防衛した井上尚弥と合わせ「三羽ガラス」と呼ばれた時代もあるアマチュアボクシング界の逸材。

 ボクシングではインターハイ、国体2冠、全国選抜、全日本選手権の5冠を制し2009年のインターハイでは1歳下の弟と史上初の兄弟同時優勝を果たし話題となった。またロンドン五輪銅メダリストで現プロボクサーの清水聡に勝利したこともある。昨年の全日本選手権の出場がかなわなかったことをきっかけに総合格闘技への転向を決意。現在、村田夏南子、才賀紀左衛門らとともにMMAのトレーニングを積んでいる。藤田はアマチュアMMA大会に今年2度出場し、打撃を封印しながらも2連勝を飾り、今回、プロデビュー戦となる。

藤田は「パンチで勝負していただきたい」

藤田「パンチのレベルはかなり違うと思う」
 この日は那須川、藤田が揃って会見に臨んだ。

 藤田は「こんな大きな舞台で、こんなすごい相手とやらせてもらえるのはうれしいし、おいしい。このチャンスを絶対にものにして、10月15日のRIZINで格闘技の新たな1ページを絶対に作ってやるという気持ちでやっている。ボクシングから来ましたが、幼少のころからいろいろな打撃の経験をしています。天心選手はキックの最高峰といわれていますが、ぜひパンチで勝負していただきたい」と“殴り合い”を要望。そしてさりげなく「パンチのレベルはかなり違うと思う」とも付け加えた。

那須川は「パンチで勝負してやろうかな」

那須川「自分と比べて大したことはない」
 これを受け、那須川も「何試合かボクシングの試合を見た。強いんですが自分のレベルに比べて大したことはないなと思いました。ボクシング界で有名な選手なんですが、パンチで勝負してやろうかなと思っていたので、本当に面白いカードになったなと思います」と応じた。
 
 2人の対戦について高田延彦RIZIN統括本部長が「パンチで勝負にいったら天心選手がマットに沈む可能性も十分にあり得る、という期待感を抱かせる実績を持っている」と話せば、榊原信行RIZIN実行委員長は「今年の春先から“とにかくとんでもない逸材がきた”と才賀から売り込みがあった。コナ・マクレガーとフロイド・メイウェザーの対戦がありボクシングに注目が集まっている中で、アマチュアボクサーが総合格闘技に転向したらどこまで通用するのかというのはプロモーターとして、1ファンとして見てみたかった。そのなかでこれだけアマチュアボクシングで実績のある選手がキックボクシング界の神童である天心と総合ルールで相まみえるということの勝負論と面白さに、新しい何かを感じてもらえるチャレンジになるかと思う。殴り合うのか(関節を)取り合うのか、どんな戦いになるのか楽しみ」などと話した。

バンタム級トーナメント最後のカード「ムン・ジェフンvsケビン・ペッシ」も発表
 この日はバンタム級トーナメントの最後の1試合としてムン・ジェフンvsケビン・ペッシが発表された。

 ジェフンは韓国最大の団体ROAD FCの軽量級で活躍するストライカー。かつて日本の佐藤将光、根津優太からも勝利を収めるなどその実力は折り紙付き。

 ペッシはスウェーデンの総合格闘技団体SuperiorChallengeバンタム級王者。レスリングをベースに散打を取り入れたアグレッシブなファイター。

 ともに打撃を得意とするだけに高田氏は「壮絶な打撃戦が繰り広げられるのでは」と予想した。

 また、開催が発表されていたキックボクシング3試合のカードも決定。
「石井一成vs政所仁」(51.0kg)、「裕樹vsダルビッシュ黒木」(62.0kg)、「RYOTA・RENSEIGYM vs森本“狂犬”義久」(58.5kg)も合わせて発表された。