左右田が再起戦で初参戦の中村と対戦。「第1試合」を要求【12・9 Krush.83】

左右田(左)は新マスクで登場

左右田「僕が負けたらKrushの格が落ちる」と必勝宣言
「Krush.83」(12月9日、東京・後楽園ホール)の追加対戦カードが10月6日発表された。

 8月大会でKrush-65kg王者・中澤純に挑戦し、延長の末、判定で敗れた左右田泰臣が復帰戦に挑む。

 左右田に用意されたのはKrush初参戦となる中村広輝。中村は沖縄をベースに戦う32歳。39戦24勝(18KO)13敗2分け。全沖縄ライト級、LEGEND-63kg初代・第2代、TENKAICHIスーパー・ライト級の戴冠歴があるファイター。

 中村はまず「ハイサイ!」と沖縄の方言で挨拶。そして「今回初めてKrushに参戦することになった。若いころに見ていた全日本キックの流れにあるkrushに出られるきっかけを作ってくれたREBELSの山口代表、Krushの宮田プロデューサーに大変感謝している。気持ちがあふれ出てきてワクワクしている。相手も左右田選手ということですごくいい試合になると思う。Krushは輝かしくて力のある団体。出られると思っていなかったので光栄。自分は勝率を見るとKOが先行しているが、特にKOを目指して戦っているわけではない。戦いの中の流れでKOが生まれている。今回も流れの中でKOが生まれればいい。自分で言うのもなんですが、Krush向きの選手だと思っているので、いつも通り戦うだけ」と話した。

 左右田は「K-1のベルトが欲しいと言っておいて、8月のKrushで負けて、また順番待ちの最後尾に並んでしまいました。今回は僕が負けたらKrushの格が落ちる気がするので、シンプルに“勝つ”というテーマを持って戦いたい。中村選手はすごい激闘派の選手と聞いていた。改めて試合を見てみると、やはり激闘派だったので、素晴らしい選手だと思う。僕が8月に負けて、また一人K-1の65kgの選手を増やしてしまったので、今回はそういうことがないように、僕の仕事をしっかりしていきたい」と話した。

 左右田は前回の敗戦については「負けたことに関しては納得している。試合の勝ち負けで一喜一憂していたら1年前と変わらない」と気持ち的には吹っ切れているよう。しかし「出直しという意味もある」と「第1試合」を希望した。宮田充K-1プロデューサーは「第1試合はすごく大事に考えていてインパクトのあるカードを持ってきたこともあった。でも今回の大会は土曜日。週休2日とはいえ土曜日はまだ忙しい人も多い。“この試合は絶対に見たい”というお客さんは多いと思う。そういうお客さんの思いを考えると後半にマッチメイクしたい。でも左右田選手の気持ちも分かる…」と返事を保留。この宮田氏の態度に「理想は第1試合からメーンまでフルハウスということ。自由に生きましょう」と左右田。果たして宮田氏の決断は…?

会見では牧平(左)と平山はピリピリムード

牧平vs平山は次期挑戦権とイデオロギーを賭けた戦いに
 -67kgでは牧平圭太vs平山迅が次期挑戦者決定戦として行われる。牧平はこのベルトの第3代王者。2人はともに9月のK-1さいたま大会に出場。平山はプレリミナリーファイトで渡邊俊樹を豪快な1RKO、牧平はトーナメントのリザーブファイトでKENJIをTKOで下している。

 会見では平山が「牧平選手は反骨の暴れ馬と言われているので、おとなしい牧場の馬にしてやろうと思っています」と挨拶すると、牧平が「あんまり調子に乗るなよ、って感じです。どうしてもKrushのチャンピオンにもう一度なりたいので必ず平山選手を倒して挑戦します」と返し、一気にピリピリムード。

 そして平山が「(牧平は)しっかり蹴ってくる選手。でもパンチは少ないと思う。調子に乗るなと言っているんで、今回の試合はパンチで来てほしい。この前のK-1を見ていれば分かると思うんですけど、蹴りってそんなに盛り上がらないんですよ。だからしっかりパンチで来てほしい」と言うと牧平は「蹴りで倒したいと思います」と即答。次期挑戦権だけでなく、互いに自らの存在価値をかけた戦いの様相を呈してきた。

堀尾(左)と登坂が約2年ぶりに対戦

登坂は「サクッと勝ってK-1に早く出たい」
 -55kgでは堀尾竜司と登坂匠が対戦。
 2人は2015年8月に「第4代-55kg王者決定トーナメント」の決勝で対戦し、堀尾が勝利を収めベルトを巻いている。それを含め過去に2度対戦し、いずれも堀尾が勝利している。今回は約2年ぶりの対戦。

 直接対決では堀尾が有利な立場ではあるが、登坂は2年ぶりの復帰戦となった9月大会で、鈴木優也を1RKOで下し華々しい復帰戦を飾ったばかり。一方の堀尾は昨年9月から現在3連敗中と好対照な現状。

 登坂は「いずれリベンジしなければいけない選手と思っていた。2回負けているが苦手意識は全然ない。2年前は体とメンタルのバランスが取れていなくて、空回りすることも多かった。今は心身ともに調子がいい。(堀尾の)最近の試合はあまり見れていないが、3連敗していようが成績は関係ない。僕も2年ブランクがありましたが動けたので、そこは意識していない。僕の中では堀尾選手は強いイメージなので、そのイメージを崩さないように戦って、12月はサクッと勝ってK-1に早く出たい。さいたまスーパーアリーナってめちゃくちゃでかいじゃないですか。大きい会場で試合をするというのは格闘技をやっているうえで大事だと思うし、そういう大きい舞台で注目されたいという夢があった。ここでいい勝ち方をしたらK-1にも出られると思っている。Krushもとてもいい舞台なんですが、僕はK-1に出たくて仕方がないのでK-1に出るために12月はしっかり勝ちます」と話した。

 一方、堀尾は「今3連敗中。匠選手と戦っていたころの自分はもっと前に出て、我を忘れて殴り合うようなスタイルだったが、今はそれを失っちゃったかな、というところもあるので今回、匠選手と試合が決まって、失ったものを取り戻すいい機会になるんじゃないかと思う。(登坂の前戦は)パンチが速くて、それで何度もダウンを奪っていたのはすごいと思うが、それは前から知っているので特に驚きはなかった。一つ思ったのは後ろに下がってばかりではなくて、前に出て自分からプレッシャーをかけていたので、2年前よりもっとかみあった殴り合いができると思った。最近はスパーリングでも、相手の攻撃をよけて自分の攻撃を当てるというような動きをしていたが、そうすることで自分の良さが消えていたかもしれない。スパーリングでも試合だと思って、“これで負けたら終わり”という気持ちを込めてやっていきたい」と話した。