燐光群『裏屋根裏』

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前回『屋根裏』公演より(撮影=古元道広)

 日本の「現実」に向き合い、硬質な作品を作り出してきた坂手洋二と燐光群。

 彼らが2002年に発表した『屋根裏』は、現代社会の問題のひとつとなっている「ひきこもり」を題材とし大きな注目を集め、国内外で上演を続ける代表作となった。今回は海外俳優とのコラボレーションによるインターナショナル・リミックス・バージョンとしてリニューアル。『裏屋根裏』として上演する。

 現在、あるいは近未来。誰が発明したのか、世間から「ひきこもり」とされる人々が、それぞれ自ら閉じこもるための「パッケージ空間」である「屋根裏」が商品として、秘密情報による譲渡の対象として世間に流通し始める。それぞれの屋根裏から発信されるメッセージ、呼応しあうように起きる事件、引きこもる者たち同士の奇妙な連帯感。「屋根裏」発明者を探索する男。そしてさまざまな場所で、それぞれの事件が巻き起こる。

 物語の大半は屋根裏という本当にミニマムな空間で展開されるのだが、そこからわきあがるイマジネーションは限りなく大きい。演劇という表現手段の不思議さ、奥深さを実感させられる作品。

【日時】〜3月31日(木)(開演は22・23・25・28・29日19時、21・27・31日14時、24・26・30日14時/19時。開場は開演30分前。当日券は開演45分前から発売) 【会場】ザ・スズナリ(下北沢) 【料金】日時指定 一般前売3500円、ペア前売6600円、当日3800円、大学・専門学校生2500円、高校生以下1,500円(学生券は前売・当日共通料金。受付で要学生証提示) 【問い合わせ】燐光群/(有)グッドフェローズ(TEL:03-3426-6294 〔HP〕http://rinkogun.com/) 【作・演出】坂手洋二 【出演】トニー・ブルール、ユン・サンファ、イ・ジュウォン、洪明花、小山萌子、中山マリ、猪熊恒和、大西孝洋、鴨川てんし、川中健次郎、杉山英之、松岡洋子、樋尾麻衣子、安仁屋美峰、武山尚史、鈴木陽介、橋本浩明、桐畑理佳、横山展子、根兵さやか