サッカー日本代表が南米選手権出場辞退

 日本サッカー協会は17日、日本代表が招待された7月の南米選手権の出場辞退を正式決定し、南米連盟や開催国のアルゼンチン協会などに通達した。東日本大震災の影響で7月にJリーグ日程が組み込まれ、チーム編成が困難になったため。

 日本協会は4月に一度辞退の方針を決めたが、南米連盟などに再考を求められた。国内組の大量招集が難しいことから、大会登録数(22人)の過半数に当たる12人の欧州クラブ所属選手の参加を条件に出場を決めたが、欧州選手権開催で開幕の早まった来シーズンに万全の準備を期したい各クラブとの交渉が難航した。小倉純二会長は「行けないのは極めて悔しく残念だが、現状ではふさわしいチームをつくれない」と説明。代表強化への影響について、原博実強化担当技術委員長は「疲労のある選手は最初から休ませようと思っていた。一人一人のコンディションをしっかり上げることが9月からのW杯アジア3次予選につながる」とした。

 南米選手権をめぐる対応が二転三転した日本協会。招待出場の日本に選手招集の強制力がないため、欧州組の参加が難しいのは震災前から明白だった。そのため小倉純二会長は7月のJリーグ開催が決まった直後に南米入りし、南米連盟のレオス会長や開催国アルゼンチン協会のグロンドーナ会長に事情を説明。南米側は「全力を尽くして助けるから」と欧州組招集への協力の姿勢を見せたが、結果として十分な協力が得られず、決断が遅れた格好となった。

 ザッケローニ日本代表監督は「日本サッカー協会の決断を尊重している。われわれは前を向いて、W杯予選という大切な試合に向けて集中し、全力で準備したい」とコメントした。