ブラジル『さよなら また逢う日まで』
主宰で脚本・演出も担当するブラジリィー・アン・山田が生み出す作品はコメディーからシリアスまで幅広い。しかしどんなジャンルであっても根底に流れるのは悲哀に満ちた人間関係であり、濃密なドラマ性。コメディー要素の強い作品では時に思い切った設定を持ち出すこともあるが、その脚本力で観客を黙らせ、確かなドラマとして昇華させる。
今回、紀伊國屋ホールに初進出となるのだが、2008年初演の劇団の代表作を“紀伊國屋バージョン”として投入する。ちなみにアン・山田はこの作品をきっかけにTVドラマや映画の脚本なども手掛けるようになり、脚本家としても注目を集めるようになった。
舞台はかつてアジトだった場所。仲間たちと一緒に強盗に失敗し、一人で罪をかぶった男が4年の服役を終え出所してくる。男は“リベンジ”を誓い、昔の仲間を集め、新たな仲間たちを加え、再度、強盗計画を実行しようとするのだが…。
「スタイリッシュ」という言葉を使うと、ちょっと軽めな印象を与えてしまいそうだが、初演時は俳優、演出ともに「スタイリッシュ」にはまりまくり、「ハードボイルド苦笑系“犯罪”劇」と称され、絶賛を浴びた。今回は物語の根幹を担う男優陣のアンサンブルはそのままに、女優陣を一新。さらに深化した作品となる。
【日時】8月14日(日)〜16日(火)(開演は日18時、月14時/18時、火14時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】紀伊國屋ホール(新宿) 【料金】日時指定・全席指定 前売・当日ともに4200円 【問い合わせ】ブラジル事務局(TEL:080-5172-8266 〔HP〕http://www.bra-brazil.com/) 【脚本・演出】ブラジリィー・アン・山田 【出演】中川智明、西山聡、櫻井智也(MCR)、諌山幸治、信國輝彦、服部ひろとし、加藤慎吾、高山奈央子(KAKUTA)、奥田ワレタ(クロムモリブデン)