『おやすみ、かあさん ‘Night,mother』

ph_stage0100.jpg

 1983年度にピューリッツアー賞を受賞した問題作を映画監督の青山真治が演出する。

 人生の選択と尊厳を問う二人芝居。

 登場人物は40歳になる娘ジェシーと60歳になる母。離婚したジェシーには20歳を過ぎた息子がいるが、ぐれて家には寄りつかず、たまに金をせびりに現れるくらい。ジェシーは母と二人暮らし。時計は夜の8時半。夕飯の後片付けが終わり、2人の細々とした日常的な時間があり、10時になるとジェシーは「おやすみ、かあさん」と言って寝室に入る。いつもの毎日だ。ただその夜はいつもとひとつだけ違ったことがあった。それはジェシーがある決意をしていた、ということ。それに気付いた母親は思いとどまらせようとする。しかしそれはかなわずに、ジェシーはいつものように「おやすみ、かあさん」と告げて寝室に入るのだった…。

 母親役に白石加代子、娘役に中嶋朋子。

 取り立ててエンターテインメントな出来事が起こるわけでもなく物語は日常的な会話が淡々と続くだけ。しかしそのひとつひとつの台詞の裏側と、間の沈黙に多くの思いが込められる。真に実力のある役者にしかこなせない作品だ。

【日時】11月26日(土)〜12月4日(日)(開演は月火木金土19時、日水14時。※3日(土)は13時/18時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】あうるすぽっと(東池袋) 【料金】全席指定 4500円 【問い合わせ】ジェイ.クリップ(TEL:03-3352-1616=平日10〜19時 〔HP〕http://www.j-clip.co.jp/) 【作】マーシャ・ノーマン 【演出】青山真治 【出演】白石加代子、中嶋朋子