東京デスロック『再/生』

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『再/生』(2011年7月 STスポット)

 2006年に初演された東京デスロックの代表作『再生』。集団自殺を目的に集まった若者たちの終焉を舞台とし、若者たちが踊り狂う宴の模様が展開されるのだが、問題はその手法。この約30分の出来事を3回繰り返すという前代未聞のものだった。この賛否両論を呼んだ作品を昨年夏に大幅に改変。『再/演』として、国内外各地で上演し、ここ富士見に戻ってきた。

 この作品は繰り返せないこと、戻れないこと、進み続けるしかないことを描いた作品なのだが、改変にあたり新たに「分断」という要素が加えられた。それは俳優と観客であったり、個と集団であったり。もっと生々しいことでいえば、震災以前と以後の、被災地と非被災地の分断ということも含まれる。

 主宰の多田は2012年になってその分断がさらに範囲を広げ、震災そのものとは違うところでの分断が起きているように感じているという。そしてなぜ私たちは分断しているのか、させられているのか、そこに気付くことが大事だと訴える。

 時代とともに作品も進化する。過去にこの作品を見た人の目にもまるで違った作品に映るに違いない。

【日時】3月24日(土)〜25日(日)(開演は15 時。開場は開演20分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ マルチホール(鶴瀬) 【料金】全席自由 整理番号付 一般 3000円/学生・シニア(65歳以上)2500円(当日券はそれぞれ500円UP) 【問い合わせ】富士見市民文化会館キラリふじみ(TEL:049-268-7788 〔劇団HP〕http://deathlock.specters.net/) 【演出】多田淳之介 【出演】夏目慎也、佐山和泉、佐藤誠、間野律子(以上東京デスロック)、石橋亜希子(青年団)、坂本絢