「女王の器」(撮影・青木司)
今年早くも2作目の上演となるサンプル。今回は2011年の岸田戯曲賞を受賞した『自慢の息子』が待望の再演となる。
ある男がアパートの一室に独立国を作り、自らを「国王」と称していた。男は日課として大企業のコールセンターにクレーム電話をかけ続ける。王となった息子を探す母親は、「その国に亡命したい」という兄妹を連れて息子の作った国を目指してさまよう。やがてその男の国を案内するというツアーコンダクターと一緒に母と兄妹は「国」にたどり着く。そしてそこから彼らの奇妙な同居生活が始まるのだが...。
2月に上演された『女王の器』は本作の姉妹編ともいえる作品で、2作品に共通するテーマは「境界線」。『女王の器』はストーリーも舞台セットも抽象的で、やや難解な作品に感じた人もいたかもしれないが、この『自慢の息子』は「国」と「私」というわりと理解しやすい材料で作られており、2月に「???」だった人も多分取っつきやすいのではないだろうか。
なお特別企画としてサンプルの俳優が出演する映画『歓待』(25・29・2・4日)、『東京人間喜劇』(26・1日)が上映される。詳しい時間はHPで要確認。
【日時】4月20日(金) ~5月6日(日)(開演は平日19時30分、土14時/18時、日14時。月曜休演。開場は開演20分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】こまばアゴラ劇場(駒場東大前駅) 【料金】全席自由・整理番号付 前売3000円、当日3300円、学生2500円(サンプルのみ取扱い/要学生証提示) 【問い合わせ】サンプル(TEL:090-2903-8363=10~20時 〔HP〕http://www.samplenet.org/) 【作・演出】松井周 【出演】古舘寛治(サンプル・青年団)、古屋隆太(サンプル・青年団)、奥田洋平(サンプル・青年団)、野津あおい(サンプル)、兵藤公美(青年団)、羽場睦子