「TOKYO 2020」までの道のりその2
2013年を迎えて、招致活動はラストスパートに入った。3月4〜7日にIOC評価委員会による視察を控えて、競技会場を中心に準備が行われ、都内には五輪を熱望する雰囲気が盛り上がってきた。オリンピアンら招致アンバサダーは積極的にイベントに登場し、多くの人を巻き込んで、東京招致の機運は高まっていった。
駒沢オリンピック公園で約2000人が歓喜の声!
7日の夜から8日の朝にかけて、都内では各所で2020年夏季五輪開催都市決定の瞬間を待った。
駒沢オリンピック公園総合運動場のパブリックビューイングには約2000人の観客が訪れた。午後10時30分の東京のプレゼンテーションが始まるとその模様を固唾をのんで見守る。その後は中川翔子のライブ、アスリートによるトークショーなどで明け方の投票を待った。
1回目の投票では、まずマドリードとイスタンブールのアナウンスがあったことから一瞬「東京が落選?」という空気が流れ、会場は暗いムードに包まれたのだが、東京が1位通過ということが分かるや、皆ホッと胸をなでおろした。
そして午前5時の決選投票の発表。祈るようにPVを見つめる観客の前に「TOKYO 2020」の文字が映されると会場中に割れんばかりの歓声があがった。
招致の実現を願い、芝・増上寺でキャンドルナイト
7月28日〜8月21日の期間に、2020人のランナーが東京タワー周辺の1.2キロと外階段600段を上り、大展望台内タワー大神宮で東京招致を祈願するという「“2020度参り”チャレンジラン」が開催された。
そのランナーたちが東京招致に向けたメッセージをしたためた2020個のキャンドルで芝公園の大本山 増上寺の正面階段に「We believe TOKYO 2020」のキャンドルアートを描く、「“2020の願い”キャンドルナイト〜We believe TOKYO 2020〜」が開催都市決定まであと2日と迫った5日に開催された。
ゲストには俳優の別所哲也とモデルの長谷川理恵が登場しトークショーを開催。
別所は「日本がひとつになっていろいろアピールしてきた集大成。東京に来ると信じています。開催されれば、世界中から来るお客さんに東京の魅力を発信できると思います」、長谷川は「いよいよって気持ちです。7年後は、10か月の息子と一緒に見れたらいいなと思います」と、それぞれ、オリンピック・パラリンピック開催への思いを語った。
そして2人もキャンドルにメッセージをしたためる。
別所は「感動と笑顔にあふれるオリンピックを!TOKYO 2020」、長谷川は「2020 東京 心をひとつに スポーツのチカラよ!」。その2つのキャンドルを置いてキャンドルアートは完成した。
開催都市決定まであと2カ月となった7月8日にキックオフしたのが、お百度参りならぬ“2020度参り”チャレンジランだ。東京タワー周辺のランニングコースを走った後、東京タワーの外階段600段を上って大展望台にある、タワー大神宮に東京招致の実現を祈願するというもので、2020年にちなんで2020人が参加した。初日には、タレントの水沢アリーと元競泳選手でスポーツキャスターの宮下純一(北京五輪男子400mメドレーリレー銅メダリスト)が33人の一般ランナーとともに最初の挑戦者として参加した。
東京五輪をランニングで熱望
開催都市決定の100日前の5月30日に行われたのが「2020東京五輪熱望ランニングイベント」。イベントタイトル通り、東京招致を祈願して、東京タワー周辺を走るというものだ。当日は小雨が降るあいにくの天気だったにも関わらず、約150人の一般ランナーが参加し、マラソンランナーの千葉真子とともに、東京タワーをいろいろな角度から眺めながら、1.2kmのコースをランニングした。イベントには、EXILEのTETSUYA、タレントの増田有華、東京タワーアンバサダーでヴァイオリニストのMeiも登場した。
IOC委員を「お・も・て・な・し」
IOC評価委員会が3月4〜7日まで、視察のために来日。東京での五輪開催のメリットについてプレゼンテーションが行われたほか、選手村をはじめ、有明や国立競技場など競技会場を訪れた。各会場には招致アンバサダーや若手アスリートがアテンドしたほか、猪瀬都知事がテニスや卓球のデモンストレーションを行うなど、最大限の「おもてなし」で東京での五輪開催をPR。さらには、子供たちや近い将来五輪出場を目指す若いアスリートたちも参加し、人文字を作ったり、さまざまな方法で委員を歓迎した。