STAGE そうひんぱんにあるワケじゃないから絶対に見逃せない劇団
ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』
京都を拠点に活動するヨーロッパ企画。
多才ゆえの多忙につき、最近では全員が集まっての本公演は秋冬にかけての年1回に。そんな待望の公演が18日から上演開始。
今回は「迷路コメディー」。2011年から続く「移動コメディー」「漂流コメディー」に続く企画性コメディーの第3弾だ。
タイトルの“建てましにつぐ建てまし”という言葉からは、建て増ししすぎて、“今どこを歩いているのか分からない!”ということになりがちな古い温泉旅館なんかをイメージする人も多いだろう。
そんな期待通り、舞台上には本物の迷路が出現。
いつもはトリッキーな劇構造とゆるい日常会話で笑わせる彼らだが、今回はそれにプラスして“状況の妙”でも笑わせてくれそう。
ふだんの生活の中でも、自分が迷っている時はそりゃ大変だが、迷っている人をはたから見ているのは結構愉快なことじゃない? そんな深層心理をくすぐる作品。
【日時】9月18日(水)〜26日(木)(開演は平日19時、土日13時/18時。月曜は13時開演。19日(木)は14時の回あり。26日(木)は14時開演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】本多劇場(下北沢)【料金】全席指定 前売4000円、当日4500円/学生シート3500円(要学生証提示・前売のみ)【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337=10〜19時 [HP]http://www.europe-kikaku.com/)【作・演出】上田誠【出演】石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、西村直子、本多力/花本有加(KIKIKIKIKIKI)、吉川莉早、菅原永二
キリンバズウカ『マチワビ』
劇作家・演出家でシナリオライターの登米裕一が主宰するキリンバズウカの2年ぶりの新作公演。
キリンバズウカの舞台上には、いつも人気があって個性的な役者が多く出演する。そういうプロデュース公演っぽい作品の場合、どうしても個性を消しあってしまったりということもあるのだが、登米はそのへんのさじかげんが絶妙。
登場人物たちがみなそれぞれに大きなエピソードを抱え込み、自由に動き回るものの、互いに邪魔することなく絶妙なさじかげんで物語が進行する。その過程の中で多くの笑いを生み出すものの、最終的に質の高い人間ドラマに終結することによって、温かな余韻を残す作品となっている。
今回描かれるのは、街に才能があふれかえっているこの時代で、特にこれといった個性もなく埋没しかけながら、それでもなんとか何かを訴えたいと必死に生きる若者たち。そんな若い才能に対する悲哀と応援歌となるような作品だ。
【日時】9月19日(木)〜25日(水)(開演は月火木金19時30分、土14時/18時、日15時。火は14時の回あり。水は15時開演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)【料金】全席指定 一般 前売3500円、当日3800円/高校生割引 前売1000円【問い合わせ】キリンバズウカ([HP]http://kirinba.seesaa.net/)【脚本・演出】登米裕一【出演】日栄洋祐、こいけけいこ/加藤理恵、上鶴徹、黒岩三佳、後藤剛範(国分寺大人倶楽部)、永島敬三(柿喰う客)、松永渚、森下亮(クロムモリブデン)/内田悠一(レボリューションズ)、折原アキラ(青年団)、金聖香、助川紗和子、渡邊亮