江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
吉原の花魁に入れあげるなど、道楽が過ぎる若旦那の徳は親族会議の結果、勘当を言い渡される。しかし、まったく反省の色を見せずに「米の飯とお天道様はどこに行ってもついてまわります」と言って、家を飛び出した。行くあてのない徳は、なじみの花魁の元に行くが、勘当された元・若旦那には用はない。金の切れ目が縁の切れ目とばかりに追い出されてしまう。途方にくれる徳は、8月の暑い盛りに3日も飲まず食わずでフラフラに。いっそ死んでしまおうと吾妻橋から身を投げようとしているところを、叔父さんに助けられる。翌朝叔父さんは、山のように仕入れた唐茄子を指し、徳に売ってこいと言う。「唐茄子なんて外聞が悪い」とごねる徳に「汗水たらして働くのに、外聞が悪いとはなんだ」と叔父さん。渋々天秤棒を担いで家を出た徳は、ふらふらしながら浅草の田原町に。しかし箸より重いものを持ったことがない徳は往来へ唐茄子を放り出して、倒れてしまう。それを見た気のいい町の人が事情を聞いて、唐茄子をあらかた売りさばいてくれた。唐茄子が残り2個になったところで、徳は売り声を練習しながら、誓願寺店の裏長屋へ。子どもをおぶった女に唐茄子を売るついでに、そこで弁当を食べようとすると、小さな男の子が指を加えて徳のお弁当をじっと見つめている。理由を聞くと、金の工面に遠方に出かけた亭主からの仕送りが途絶え、もう3日も飯を食べていないという。それを聞いた徳は、売上金をすべて渡して、叔父さんの家へ帰った。しかし叔父さんは、その話を信じず、徳と誓願寺店へ。2人が到着すると、長屋が何やら騒がしい。聞くと、お金を返そうと徳を追って外に出た女を大家が捕まえて、店賃だと言って、そのお金をすべて取り上げたという。女は八百屋さんに申し訳ないと首をくくってしまった。それを聞いた徳、大家の家に飛び込み、やかんでやかん頭をポカリ。長屋の連中も加勢して、どさくさ紛れに因業大家を痛めつける。駆けつけた医者により、女は息を吹き返し一件落着。徳は人を助けたということで奉行から褒美をもらい、めでたく勘当が許された。