ソチ五輪直前特集 長野を超えろ!! 目指すは金メダル5 総メダル数10

 ソチ五輪日本選手団の橋本聖子団長は20日、結団式・壮行会の後に行われた記者会見で「金メダル5個、総メダル数10個」という目標を上げた。今までの最高は1998年の長野五輪での金5個、銀1個、銅4個の計10個。「長野超え」を目指す日本だが、確かに今回はメダルを狙える選手が目白押しだ。
 スキーでは、まずなんといっても女子ジャンプの高梨沙羅。2012年3月に蔵王で行われたW杯で日本人女子選手として初優勝するや、翌年の2012/2013シーズンでは日本人初のW杯個人総合優勝を果たした。16歳4カ月での達成はW杯史上最年少記録というおまけ付き。それも13戦に出場し8勝、2位4回、3位1回という圧倒的成績だった。2013/2014シーズンは11戦に出場し8勝2位2回、3位1回とその勢いはとどまるところを知らない(1月26日現在)。まさに敵なし状態。課題だった着地におけるテレマーク姿勢もマスターした。金メダルはほぼ確実だ。
 男子も負けてはいない。注目は41歳にして7回目の五輪となる葛西紀明。今季W杯第13戦では優勝するなど、その実力に衰えは感じられない。団体は今季W杯の開幕戦では3位に入った。長野の感動のシーンの再現なるか!?
 ノルディック複合では個人の渡部暁斗と団体でメダルが期待される。渡部はW杯では2011/2012シーズンでは総合2位、2012/2013シーズンは総合3位、今季も12月7日のリレハンメルでの2位を皮切りに表彰台に5回上っており、好調子を維持している(1月26日現在)。
 フリースタイルスキーではモーグルの上村愛子に注目が集まる。上村は今回で5大会連続の出場。過去、7、6、5、4位とあと一歩メダルに届いていない。ソチで愛子スマイルが見られるのか…。悲願の表彰台へ期待が高まる。
 スノーボードではパラレル大回転女子の竹内智香。昨季、W杯で初優勝を飾り、今季は開幕戦で2位とメダルを射程内にしている。
 また今回からの新種目としてスロープスタイルとパラレル回転が加わるのだが、スロープスタイル男子は全種目中、決勝が一番最初とあって、角野友基には大会第1号の金メダル獲得の期待がかかる。角野は2012年、国際スキー連盟のスノーボード スロープスタイルで総合優勝に輝いた実力者。なんと17歳!! と思ったら、ハーフパイプの平野歩夢は15歳と上には上がいるもの。平野もメダルに手の届くところにいる。ちなみに今回の選手団で最年少。
 スケートに目を転じると、男女のフィギュアスケートも金を狙える選手が揃った。まず男子は羽生結弦。羽生は今季GPファイナルでショートプログラムの歴代最高得点を更新し、優勝。昨年12月の日本選手権ではSP(ショートプログラム)で驚異の103.10点を叩き出した。100点超えは全日本史上初めて。世界選手権3連覇中のパトリック・チャン打倒もぐっと現実味を帯びてきた。
 前回のバンクーバーで銅メダルの高橋大輔、全日本選手権で2位となり代表の座を勝ち取った町田樹はGPシリーズでも2勝を挙げておりこちらも十分メダルを狙えそうだ。
 また哲学者ヘーゲルの「美学講義」が愛読書という町田は “氷上の哲学者”ともいわれており、その独特の表現によるコメントも話題を集めている。ぜひとも好成績を残し、世界に向けてコメントを発してほしいものだ。
 女子は浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子の日本が誇る“3人娘”が出場する。浅田は今大会を自らの競技人生の“集大成”と位置づけており、永遠のライバルである韓国のキム・ヨナを破っての金メダル獲得は日本中の願いでもある。
 また新種目である団体もペアとアイスダンス次第では金メダルも狙えるとあって、フィギュアスケートはメダルラッシュの期待がかかる。
 スピードスケートはなんといっても男子500mの長島圭一郎と加藤条治。
 バンクーバー五輪では長島が銀、加藤が銅メダルを獲得した。500mは2回滑ってその合計タイムを競う。いかにミスを抑え、2本のタイムを揃えられるか。一発勝負とは一味違った楽しみ方もできる競技だ。
 女子では短距離の小平奈緒。バンクーバーでは女子団体パシュートで銀メダルを獲得したが、やはり欲しいのは個人でのメダルだろう。また、その団体パシュートも持ち前のチームワークで2大会連続メダルを狙う。