斬新なキャスティングにひとまず目をひかれる『荒野のリア』ティーファクトリー

 今年がシェイクスピアの生誕450年のメモリアルイヤーとなることから、吉祥寺シアターでは昨年から、若手からベテランまでさまざまなラインアップでシェイクスピアの名作を上演する「シェイクスピアシリーズ」を展開中。
 今回は川村毅が『リア王』を手がける。この作品は老王リアと3人の娘の物語というイメージが強いのだが、リア同様に子供たちに裏切られた、また裏切られたと誤解する、リアの重臣グロスターと息子たちの物語も綴られている。今回はリアとグロスターを中心に三幕以降を原作に忠実に上演していくという。
 リアを演じるのは大駱駝艦の麿赤児。その佇まいから受けるぴったり感は半端ないのだが、実は麿がシェイクスピア作品のタイトルロールを務めるのは今回が初めて。そしてグロスターを演じるのは、最近の川村作品には欠かせない存在である手塚とおる。
 麿と手塚の絡みが魅力的なのはもちろんのこと、道化を演じる有薗芳記ら存在感のありすぎる役者たちが揃って、そうそうお目にかかれない濃厚な舞台となりそう。

【日時】3月13日(木)〜23日(日)(開演は平日19時30分、土14時/18時、日15時。※19日(水)と21日(金・祝)は15時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】吉祥寺シアター(吉祥寺)【料金】全席指定 一般前売4800円、当日5000円/初日特別価格 4000円【問い合わせ】ティーファクトリー(TEL:03-3344-3005 [HP]http://www.tfactory.jp/)【原作】W.シェイクスピア「リア王」(松岡和子訳)【構成/演出】川村毅【出演】麿赤兒/手塚とおる/笠木誠、志村史人/玉置玲央、宮内克也、森下庸之、太平/有薗芳記/中村崇/川村毅