リアルに、緻密に。画力に圧倒されるおすすめアート展
Bunkamura25周年特別企画 だまし絵II 進化するだまし絵
Bunkamuraザ・ミュージアム 8月9日(土)〜10月5日(日)
美術の歴史において、古くから親しまれてきたジャンル“だまし絵”のアートを堪能できるおススメの展覧会。
2009年に開催された『だまし絵』展の続編となる本展では、多岐にわたり進化していく現代美術の展開にフィーチャー。古典的傑作を展示するプロローグに始まり、4つの手法ごとに合計5つに分けた構成で、現代の新しいだまし絵の数々を紹介。その進化する魅力に迫る。
古典的作品では、ある絵の中に別の像を潜ませる“ダブル・イメージ”の傑作、アルチンボルドの『司書』も登場。実在の博学な人物を茶かし、その姿を積み重ねた本で表現したユーモア満点の作品だ。
現代からは、“書き割り”の要領でリアルなアンプを表現したカズ・オオシロの『フェンダー・デラックス・リヴァーブ・アンプ2』や、鏡に映ると実像を結ぶ福田繁雄の『アンダーグランド・ピアノ』など、国内外の作品によりいろいろな“だまし絵”テクニックを楽しむことができる。
【時間】10〜19時(金土は21時まで。入館は閉館の30分前まで)【休】9/8のみ休館【料金】一般1500円、大学生1000円、中小生700円【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル)【交通】JR、地下鉄他渋谷駅ハチ公口より徒歩7分【URL】http://www.damashie2.com
山本竜基展
ミヅマアートギャラリー 開催中〜8月30日(土)
圧倒的な構成で、精細な自画像を描き続ける作家・山本竜基の新作個展。ポーラ美術振興財団の助成を得て2011年より北京での滞在制作を経験後、3年半ぶりの個展となる本展で、北京滞在中と帰国後にそれぞれ描かれた2点の大作も披露する。
北京で描かれた『混沌図』は縦4メートル、横3メートルという大作。天神信仰から生まれ、中世の信仰や死生観が表された北野天神縁起絵巻を下敷きに描かれた作品だ。山本本人の顔をした鬼や神仏と、学生服を着た無数の山本たちが大画面中を埋め尽くし、入り乱れる様子は、まさに混沌。これまでの自画像作品同様、無数の自分を描きながらも、時代を超越する“世界の真理”を見つめた、壮大な作品となっている。
一方、最新作である『天地図』はヒエロニムス・ボスの『天地創造』と『最後の審判』からインスピレーションを得た、こちらも約2メートル×3.5メートルの大作。
会期中は展示室の一部が作家の小アトリエとなり、ときには制作の様子を見ることもできる。
【時間】11〜19時【休】日月祝(夏期休廊8/10〜18)【料金】入場無料【問い合わせ】03-3268-2500【交通】JR・地下鉄 飯田橋駅より徒歩5分【URL】http://mizuma-art.co.jp/