時代と世代を超えて”性”について描かれた作品『蒲団と達磨』 サンプル

『蒲団と達磨』で岩松了は1989年に岸田国士戯曲賞を受賞した。この岩松の初期の作品が約25年ぶりに上演されるという。それだけでも興味は尽きないところなのだが、演出をサンプルの松井周が担うということで、大きな話題を呼んでいる。

 松井は岩松の作品に大きな影響を受けており、またこの2人、東京芸術劇場の「自作自演」という劇作家が自作を自分でリーディングするという企画の第1回目の出演者で、そのときに岩松は同作を松井の目の前でリーディングしているという過去もある。

 舞台はある夫婦の寝室。祝い事のあと、いつになく他人が出入りする密閉空間で、言外に潜む危ういそれぞれの秘密、我慢、爆発寸前の中年の性欲が濃厚に描かれる。

 松井はこれまでサラ・ケイン、マイエンブルクといった海外戯曲を演出することはあったが、国内の既成戯曲を手掛けるのは初めて。彼自身、岸田戯曲賞受賞者であり、このところ外部への脚本提供も続いたことから、劇作家として評価されることも多かったが、今回は演出家としての魅力を十分に発揮してくれるだろう。

【日時】3月6日(金)〜15日(日)(開演は6・10・12・13日19時、7日18時、8日14時/18時、11・14・15日14時。9日休演。開場は開演20分前。当日券は開演40分前)【会場】KAAT神奈川芸術劇場 〈大スタジオ〉(元町・中華街駅)【料金】一般 前売3700円、当日4000円 ※前半割(6〜8日)前売3500円、当日3800円/学生 全日共通2500円(公演当日、受付にて要学生証提示)/高校生以下 前売のみ1000円(公演当日、受付にて要学生証提示。チケットかながわにて取扱)【問い合わせ】サンプル(TEL:090-2903-8363=10〜20時 [劇団HP]http://samplenet.org/)【作】岩松了【演出】松井周【出演】古舘寛治、古屋隆太、辻美奈子、奥田洋平(以上、サンプル・青年団)、野津あおい(サンプル)、安藤真理、大石将弘(ままごと|ナイロン100℃)、田中美希恵(範宙遊泳)、新名基浩、松浦祐也、松澤匠、三浦直之(ロロ)