『仮面ライダードライブ』で人気急上昇中! 竹内涼真

子供のころに僕が仮面ライダーに抱いていた気持ちを、いまの子供たちが同じように持ってくれている。 それが本当にうれしいんです!

 日曜日の朝8時、チビッ子たちがテレビにクギづけになる。そのママたちも同じだ。理由は車に乗る仮面ライダー『仮面ライダードライブ』。その主人公である刑事の泊進ノ介を演じるのが竹内涼真だ。ヒーローにあこがれ、プロサッカー選手を目指してその夢にも手が届きそうなところで、俳優の道へとハンドルを切った。新しい映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』の公開も控える本人にインタビューした。

 日もとっぷりと暮れた午後9時。竹内涼真は軽快な足取りで現れた。「よろしくお願いします!」とさわやかな笑顔であいさつすると、カメラの前で変身ポーズを決める。この日も早朝から夜遅くまで『仮面ライダードライブ』漬けで、撮影に取材と分刻みのスケジュールだったというが、彼の様子からは微塵の疲れも感じない。

「テレビシリーズの撮影が始まってから半年と少し経ったところですけど、この生活に慣れたっていうのかな。あまり疲れは感じないです。僕はこの作品に関わるまで、長い期間にわたって、同じ一つの作品に取り組んだ経験がないので、すべてが初めての経験なんです。だから、こういうものなんだろうなって(笑)。ただ、一生懸命やっています」

 子供のころからプロサッカー選手を夢見て17年間サッカーを一生懸命やってきた。夢をあきらめて芸能界入りした。

「とにかくサッカーが好きでした。叔父さんから薦められたのがきっかけですが、毎日サッカーをしていました。練習も楽しくて仕方がなかったです。両親も応援してくれて、サッカーを知らなかった父親は勉強してくれたし、試合にも応援に来てくれたり。僕がやりたいということはほとんどさせてくれて、いろいろな面からサポートをしてくれました。だから、プロサッカー選手の夢をあきらめるって伝えた時には反論もあったんです。今は応援してくれていますけれど、僕のなかには夢を応援し続けてくれた両親、その期待を裏切ることになってしまったことに申し訳なさを感じています。だからこそ、選んだ芸能界というところで、恩返しをしたい。そう思っています」

 芸能界の道へ進んだからには「あこがれていたヒーローを演じてみたい」。オーディションでも声高に語った。こうしたい、ああしたい、ああなりたい。小さいころから実現するためにやってきたイメージトレニングならぬ“妄想”は、『仮面ライダードライブ』で現実になった。

「男の子や女の子、そのお母さんたちから、歩いていると、“進ノ介〜!”って声をかけられたりします(笑)。自分が子供のころに仮面ライダーに抱いていたのと同じような気持ちを持っていてくれるのかなって。そう思うと、すごくうれしいですよ。ヒーローなんだなって」

『仮面ライダードライブ』という作品そのもの、『仮面ライダー』シリーズ史上初というフレーズが躍る作品だ。車を操り、バイクに乗ることは一切ない。さらに、変身前の泊進ノ介の職業は刑事。主役としては初である。言いかえれば、これまでのシリーズを参考にしにくいタイプのヒーローであり、役どころ。演技経験もあまりない。最初は戸惑った。

「バイクに乗っていないっていうのは、僕も最初は驚きましたけど、車がかっこいいので違和感はないですね。ただ、進ノ介をどう演じるかは、演技の経験もあまりないですし、考えながら、現場で指導を受けながら作っています。嘘がつけないところだとか、進ノ介が人に歩み寄ろうとすることが多いのは人が好きなんだろうってところとか、人のいいところから見ようとするってところだとか、進ノ介と僕には共通点があるんです。それをもとにして、って感じです。家でも1人でイメトレして。でも、正直言っちゃうと、ただ一生懸命やってるって感じです(笑)。今になって思うと、たぶん最初は何も考えてなかったです。ただ、一生懸命やる。一生懸命やることが今、僕ができること。そう思ってやっています」

 そんな「一生懸命」な毎日を重ねるなかで、『仮面ライダードライブ』そして泊進ノ介としても少しずつ自信も持てるようになってきたという。

「自分の役には自信がありますし、他の人にはできないって思っています。放送回数も重ねて、自分を客観的に見られるようになってきて、放送を見て反省して演じ方を修正するとか、少し余裕が出てきたのもあるのかな。とはいえ、それと同時に新しい悩みも出てきたんですけどね。他の登場人物と比べて、進ノ介は普通の人。そんな彼をどう演じていくか、芝居の難しさを感じますね」

「仮面ライダー1号、2号、そして3号! ヒーローたちが集合するのは、ヒーロー大戦ならではですよね。現場でも、自分が子供のころにあこがれたヒーローたちがたくさんいて、楽しかったです。内容としては、テレビシリーズとは離れた作品ですし、切り離して見てもらえる作品です。僕の部分については、3号がいたらというパラレルワールドな部分があるので、ドライブや進ノ介としていつもとは違うことができたのが楽しかったです。テレビでは、進ノ介って刑事ですからやることが限られているというか、しっかりしていなければならない存在なんですけど、映画では、衣装も少し違うし、少し突き抜けた男を演じられたかなと思っています。時々、いつもの進ノ介に戻っちゃうんで、“少し突き抜けた”なんです」

 この映画では、幻の3号を及川光博が演じることも話題だ。

「及川さんとの2人芝居が多かったので、すごい勉強になりましたね。僕の何千何万倍も経験されている方ですから、セリフの言い回しやリアクションの取り方、そういうのもあるのかって。そこで学んだものを取り入れて、今のテレビシリーズの撮影現場で挑戦してみたりしているんです。それで監督に気持ち良くオッケー!っていってもらえるとうれしいんです。映画も、もちろんテレビシリーズもですけど、この現場にいられるのって本当に恵まれているなって思います。1日が『仮面ライダードライブ』で終わってしまう毎日ですけど、そのなかでいろんなインプットができて、成長させてもらっています」

『仮面ライダードライブ』とともに、自分を磨き上げる。

 
「やり遂げた時、成長したねって言われたいですね。1年間『仮面ライダードライブ』の主役をやってきただけあるなって言われるように、一生懸命頑張りたい。そう言ってもらえる“妄想”もし続けたい。妄想してイメージしていないと現実にはならないと思っているので」

 今後の竹内の成長と飛躍は、その“妄想”にかかっている。

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INFORMATION
映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』3.21公開

 常に人気のシリーズだが今回はいつもと一味もふた味も違う。幻の仮面ライダー3号が登場。さらに3号は1号と2号を抹殺してしまう。それによって歴史は大きく変化。2015年には全世界はショッカーの統治下に置かれた。泊進ノ介は仮面ライダーを倒すためにショッカーの一員になっていたというパラレルワールドでの物語。仮面ライダーたちの運命、正義の心は失われてしまうのか? 結末は最強最速を決めるレーシングバトル「ライダーグランプリ」に委ねられ……。

原作:石ノ森章太郎 八手三郎 監督:柴﨑貴行 脚本:米村正二 出演:竹内涼真、中村優一、稲葉 友、半田健人、天野浩成、髙田延彦、倉田てつを/及川光博 他/1時間35分/東映配給/3月21日公開 http://www.superhero-movie.com/http://www.superhero-movie.com/
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