見つめ続けたくなる作品たちに出会える展覧会を2つ

オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男
東京都現代美術館 7月18日(土)〜10月12日(月・祝)

 ブラジルのモダニズム建築の父、オスカー・ニーマイヤー(1907-2012)の日本における初の大回顧展。

 1950年代、オスカー・ニーマイヤーはブラジルの一大プロジェクトである首都・ブラジリアの主要な建物設計にたずさわり、荒涼とした土地に創造性豊かな都市を作り上げた。それがいかに偉大な仕事であったかは、ブラジリアが1987年に世界遺産に登録されたことからもよく分かる。104歳で亡くなる直前まで、多くの建築設計を手掛け続けたニーマイヤー。その有機的でダイナミックな曲線と、モダニズムの幾何学の調和を特徴とするデザインは、今なお多くの建築家に影響を与えている。

 本展では、オスカー・ニーマイヤーの代表的な建築物をさまざまなサイズの模型で展示。中でも、アトリウムの大空間でダイナミックに展開される代表作の一つ〈イビラプエラ公園〉30分の1模型はインパクト満点。他、彼の日常や仕事を物語る貴重な資料も公開。2016年にはリオ・デ・ジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催。今年は日伯外交樹立120周年。この機に、リオが生んだ偉大な建築家の軌跡をたどってみよう。

【時間】10〜18時(7〜9月の金曜は21時まで。入場は閉館の30分前まで)【休】月曜(7/20、9/21、10/12は開館)、7/21、9/24【料金】一般1100円、大学生・専門学校生・65歳以上800円、中高生600円、小学生以下無料【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)【交通】地下鉄 半蔵門線 清澄白河駅B2番出口より徒歩9分【URL】http://www.mot-art-museum.jp/

鈴木理策写真展 意識の流れ
東京オペラシティアートギャラリー 7月18日(土)〜9月23日(水・祝)

 写真家・鈴木理策の、約8年ぶりとなる東京での大規模個展。鈴木理策は、1963年和歌山県生まれ。1980年代後半から写真家として活動を始め、1998年には、故郷の熊野をテーマにした初の写真集『KUMANO』を、翌年には『PILES OF TIME』を発表。聖地へ向かう道程をロードムービーのような連続写真の手法でとらえ、その物語性をはらんだ新たな表現は高く評価され、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞した。その後も国際的にも活動の場を広げ、ライフワークともいえる熊野での撮影とともに、南仏などでも撮影を行っている。

 待望の大規模個展となる本展では、鈴木自らが展示構成を手掛け、新作および未発表作を中心に写真作品約100点と映像作品3点を展示。鈴木の作品は8×10(エイト・バイ・テン)の大判カメラを使う鈴木作品ならではの臨場感を感じられる写真に加え、デジタルカメラで撮影された映像作品3点も公開する。我々が鈴木の作品を見るとき“自然写真の鑑賞”という行為に終わることはない。見る者は鈴木のまなざしを追体験しながら、それぞれの“意識の流れ”が呼び覚まされるのを感じるはずだ。

【時間】11〜19時(金土は20時まで。最終入場は閉館30分前まで)【休】月曜(祝日の場合は翌火曜。9/22は開館)、8/2【料金】一般1200円 大学・高校生800円、中学生以下無料【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)【交通】京王新線 初台駅 東口より徒歩5分 東京オペラシティビル【URL】https://www.operacity.jp/ag