1・11修斗 斎藤裕が世界ライト級王座獲得
プロフェッショナル修斗の2016年最初の公式戦が11日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた世界ライト級チャンピオン決定戦で、同級環太平洋王者の斎藤裕(世界1位)が中村ジュニア(世界3位)を5R3-0の判定で破り、第10代王者となった。
斎藤は1R序盤にハイキックでダウンした中村に襲いかかり、パウンドからバックに回ってのスリーパーで、あわやの場面を演出する。なんとかしのいで組み付いたままスタンドに戻した中村だったが、その後も斎藤はテンカオ、左ロー、ミドルと追撃。立て直してプレッシャーをかけていく中村だが、斎藤の左ジャブが効果的でなかなか距離を詰めることができない。
2R以降、中村は斎藤のパンチに合わせてタックルを敢行。何度かテイクダウンに持ち込むが、斎藤の堅いディフェンスの前に効果的な攻撃を繰り出せない。斎藤はしのいで立ち上がっては打撃で反撃。判定の難しいラウンドがあったものの、アクションの割にポイントを稼げない中村に対し、斎藤は後半のラウンドでテイクダウンを奪う動きも見せ、着実にポイントを稼いだ。
前王者・日沖発が2011年に返上して以降、長く空位の状態が続いた同王座。過去にはアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ、リオン武などそうそうたる名前が並ぶ。
斎藤は試合後「修斗の歴代チャンピオンは素晴らしい人たちが並んでいる。自分もみんなに認められるように、これからもっと厳しい相手と激しい試合をして頑張っていきます」と話した。
セミファイナルでは環太平洋ウェルター級チャンピオンシップが行われ、王者・松本光史が挑戦者のABを1R3分59秒、スリーパーホールドで破り2度目の防衛に成功した。
ABは昨年7月の修斗本格参戦以降、2試合連続1R一本勝ちを収め、ランクイン。この日の挑戦にこぎつけた。いま最も勢いのある選手でもあり、松本にとっては厄介な相手と思われたが、松本は序盤から打撃で圧倒。右フックでダウンしたABに組み付きバックを取るやスリーパーホールドを決め一本勝ち。初防衛戦で川名雄生相手に0-1のドローに終わった汚名を注いだ。
同級の世界王座は昨年11月に同門の弘中邦佳が返上。松本は試合後「やっと上のベルトが空いた。試合前で世界ランク2位なので挑戦権はあると思いますので、世界戦を見に来て下さい。相手は誰でもいいというわけではなくて、修斗のテッペンを決める試合になると思うので、修斗のウェルター級で一番強い奴と戦って勝って世界王者になりたいと思います」と世界戦をアピールした。
またこの日、昨年の修斗の年間表彰が発表され、内藤のび太が2年連続MVPに選出。バストバウトも内藤のび太vs澤田龍人(2015年7月26日、東京・後楽園ホール)が選ばれた。
2015年最も成長した選手に送られるMIP(モスト・インプルーブト・プレイヤー)は「インフィニティリーグ2015 フェザー級」で優勝した小蒼卓也。2016年の注目選手にはウェルター級新人王の松嶋こよみが選ばれた。
昨年の新人王のMVPにはバンタム級の田丸匠、敢闘賞にフェザー級の摩嶋一整、技能賞にウェルター級の松嶋こよみが選ばれた。