2・10「WRESTLE-1」火野と大和が王座防衛 KAIは真田に完敗
プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2016 W-IMPACT」(10日、東京・後楽園ホール)のメーンで「WRESTLE-1チャンピオンシップ」が行われ、王者・火野裕士に田中稔が挑戦。20分59秒、Fucking BOMBからの体固めで火野が初防衛に成功した。
クルーザー級の田中は階級の壁を越えての挑戦。パワーでは火野には敵わない田中は持ち前のスピードと左足への一点集中攻撃で火野を悶絶させると、ダイビングフットスタンプ、ハイキック、ヒールホールドであわやの場面を何度も演出。終盤には体格差を越え、火野のチョップにローキックで渡り合うと会場は「大ミノル」コールに包まれた。最後はこれまでしのぎにしのいできたFucking BOMBの前に無念の3カウントを聞いた。
試合後、勝ち名乗りを受ける火野の前に現れたのはTriggeRの近藤修司。近藤が挑戦表明すると、2人は額を付き合わせてのにらみ合いから両軍入り乱れての大乱闘。
マイクを握った火野は河野真幸、近藤組の持つタッグのベルトへ火野、KAZMA SAKAMOTO組で挑戦することを交換条件に近藤の挑戦を受諾した。
この日、ある意味タイトル戦以上の注目を集めたのがKAI vs真田聖也の一戦。ともにWRESTLE-1の旗揚げに参加したものの、その後、真田は退団し海外へ。KAIはエースを自認し、団体を守るべく戦ってきた。しかしKAIは思うような結果を出せず、今ではファイトスタイルも変え迷走の日々。一方、戦いの場を日本に求めた真田はファンの期待も大きく、2人の立場は好対照。
KAIからすれば「勝手に出て行って、勝手に戻ってきた」真田の参戦にはじくじたる思いがある。真田からすれば「今のお前に言われたくない」ということで2人の思いは果てしなく平行線。
試合はいきなりKAIが場外戦を仕掛け、荒れ模様。しかしリングに戻るとかつての正統派ファイトも交え、真田を追い込む。KAIのハードな当たりに翻弄された真田だったが、徐々にその身体能力を生かした立体殺法で反撃。
KAIのラリアットから垂直落下式ブレーンバスター、サンダーファイヤーパワーボムをことごとく2カウントで返した真田は、KAIのダイビングボディープレスをカウンターのダイヤモンドカッターで迎撃。ローリングエルボー2連発からタイガースープレックス、ムーンサルトプレスの必殺フルコースで3カウントを奪った。
試合後、KAIに「何にも変わってない。前のほうが良かったよ。お前のほうがもっと負け犬だよ」と辛辣な言葉を残して退場した真田。入れ替わるようにリングに上がったカズ・ハヤシが「もう迷走するな。戻って来い」とKAIに語りかけるが、KAIはここでも中指を立てて拒否の姿勢を見せた。
絶対負けたくない相手に負けてしまったKAIはこれからどこに行くのか…。
「クルーザーディビジョンチャンピオンシップ」では大和ヒロシが稲葉大樹を下し、初防衛に成功した。
この日もこだわりの「一直線」を見せる大和。肩車したままそのまま一直線で後ろに倒れこむ新バージョン、トップロープからの真正一直線からのノーザンライトボムで3カウントを奪った。
前の試合で前王者アンディ・ウーを破った鈴木鼓太郎が「お前が言ったとおり実績を作ったぞ。次の挑戦者は俺でいいんだよな」と挑発すると大和は「受けてやるよ」と即決。試合後の会見では「断ったらあいつ(ウー)の立場がない。あいつの分も背負って勝つだけ」と話した。
この日から始まった黒潮“イケメン”二郎の「イケメン試練の七番勝負」第一戦の相手はウルティモ・ドラゴン。
平日の19時試合開始というシチュエーションにもかかわらず、普段より長めの入場パフォーマンスのイケメンにレフェリーが「長いよ!」と注意を与えれば、セコンドの中之上も手首を指差し「時間、時間」のポーズ。
百戦錬磨のウルティモ相手でも普段着ファイトができるのがイケメンのいいところ。ウルティモのラ・ケブラーダを足を取って不発に終わらせ、逆にラ・ケブラーダを決めるなど見せ場は作ったものの、最後はアサイDDTからの体固めで10分35秒、3カウントを聞いた。
試合後、第2戦の相手が関本大介と発表されるとイケメンは「誰? 誰がこれ決めたの?」と戸惑いの表情を見せながらも「でも前向きに。これも試練。俺がWRESTLE-1を変える! フィニッシュ!」と最後はいつものポジティブさを取り戻しリングを降りた。
WRESTLE-1はこの日の結果を受け、11日、3月13日の後楽園ホール大会で、火野裕士vs近藤修司のWRESTLE-1チャンピオンシップ、大和ヒロシvs鈴木鼓太郎のクルーザーディビジョンチャンピオンシップ、KAIvsカズ・ハヤシのシングルマッチを発表した。