深津絵里と中村七之助がW主演の舞台『ETERNAL CHIKAMATSU』上演開始

 深津絵里と中村七之助がW主演を務める舞台『ETERNAL CHIKAMATSU-近松門左衛門「心中天網島」より—』(演出・デヴィッド・ルヴォー)が10日、幕を開けた。
 同作はルヴォー氏が、かつて故中村勘三郎とともに近松の世界を作品化しようと約束しあっていたことがきっかけとなった作品。
 近松門左衛門の『心中天網島』をベースに、自らも作家・演出家として活躍し、そして翻訳家としての顔も持つ谷賢一が脚本を担当。ルヴォー氏と何度もディスカッションを繰り広げこの物語が出来上がったという。
『心中天網島』は遊女・小春、治兵衛、その妻・おさんの三角関係を描いた作品。本作では過去と現代という2つの世界を行き来しつつ”究極の愛”を描いている。
 深津が演じる現代の売春婦・ハルと七之助が演じる江戸時代の遊女・小春はともに妻子ある男性との恋に落ちていた。
 自暴自棄になって街をさ迷うハルは“ある場所”で意外な人物と遭遇したことから過去に引きずりこまれ、時代を超えて小春と通じ合う。
 ハルは過去の世界では近松門左衛門のような人物の手引きで『心中天網島』の小春と治兵衛、そしておさんの繰り広げる物語を眺めることになるのだったが…。
 W主演の深津と七之助の好演は言うまでもないが、現代ではハルが働く店のやり手ババアを、過去では近松門左衛門のような男を演じる中嶋しゅうが得も言われぬ存在感を見せている。
 渋谷のBunkamura シアターコクーンで3月27日まで上演される。