現代口語演劇の幅の広さを実感『ドロボー・シティ』あひるなんちゃら

 あひるなんちゃらの作品は、思いついた面白そうなことをただ書いていたら一本の作品になっていた——という感じ。意味ありげな台詞があると「伏線か?」と思う人も多いだろうが、決してそうとは限らず、ただいい台詞が思いついたから喋らせてみた、ということが結構多い。楽しむコツを分かっている人であればあるほどのめり込める、ある意味、プロレスのようなもの。

 今回はタイトルから察するに「泥棒」のお話。

 作・演出の関村曰く「大泥棒が、古代王朝の財宝とか、あなたの心とかを盗んでどうこうっていう話を書いたら、それはオマージュやインスパイアという名の限りなく盗作に近い芝居になってしまうので、小泥棒の話にしました」とのこと。

 泥棒にも家があって、ひょっとしたら泥棒の家だって泥棒に入られる可能性はあるわけで……といったトーンで話が進んでいく。

 小泥棒? こそ泥じゃなくて? なんて突っ込みは家に置いてきてありのままを楽しむのが肝要。
 今回も年配の方とか飽きっぽい人にも優しい70分の駄弁芝居。

あひるなんちゃら『ドロボー・シティ』
【日時】3月25日(金)〜28日(月)(開演は金19時30分、土15時/19時、日14時/18時、月15時/19時30分。開場は開演30分前。当日券は開演45分前前)
【会場】駅前劇場(下北沢)
【料金】全席自由席・日時指定 予約あり:大人2000円、学生1000円/予約なし:大人2500円、学生1500円 ※学生は要学生証提示
【問い合わせ】あひるなんちゃら(TEL:03-5945-3533 [HP] http://www.ahirunanchara.com/
【脚本・演出】関村俊介
【出演】篠本美帆、根津茂尚、野村梨々子/園田裕樹(はらぺこペンギン!)、田代尚子、伊達香苗(MCR)、堀靖明、松木美路子、宮本奈津美(味わい堂々)、山田百次(劇団野の上/青年団リンク ホエイ)