進むリゾート化で若い世代にも人気急上昇中!【癒しと出会いのカンボジア】
世界遺産の巨大遺跡群など、豊かな歴史文化に引かれ、世界中から多くの人が訪れるカンボジア。90年代まで続いていた内戦が収束して以降は、すっかり観光地化。現在はリゾート化も進んでおり、最新リゾートとしても注目を集めている。遺跡+リゾートという2つの側面を持ったカンボジアの新たな楽しみ方を紹介!
アンコール遺跡で悠久の時に触れる
2大&周辺遺跡をまるごと楽しむ
カンボジアを訪れる人の多くが目指す場所、それがおよそ9~15世紀に栄えた王朝・王国によって作られたアンコール遺跡群。広大なエリアに約60もの遺跡が点在しており、中でも有名なものがアンコール・ワットとアンコール・トムだ。アンコール・ワットは約1.5km四方に広がる世界最大級の石造寺院。アンコール・トムは12~13世紀にかけて築かれた都。その中央部には見事なレリーフや四面仏の塔で知られるバイヨン寺院がある。
もちろんこの2大遺跡を見逃すわけにはいかないが、ワットとトム以外の遺跡へもぜひ足を延ばしてほしい。“天空の遺跡”と話題のプレアヴィヒア寺院など、遺跡はいずれも個性的。それぞれまったく違う情景と出会うことができる。また遺跡は今も崩壊が進んでおり、多くの遺跡を巡ることで、さまざまな現状を知ることができるはず。
チケットは各遺跡ごとではなく、チケットセンターで、各遺跡群を巡ることができる遺跡入場券を販売している(1日券20ドル、3日券40ドル、7日券60ドル)。
思わずハマる、石像&レリーフ鑑賞
遺跡群では、レリーフや石像の細かな細工にも注目を。神話に登場するナーガやガルーダの表現力の豊かさに魅了されるはず。大きなものでは、アンコール・トムのバイヨン寺院にある、“クメールの微笑み”で知られる仏の頭部像「四面仏」は圧巻。同寺院には当時の人々の生活や戦争の様子などを伝えるレリーフのいきいきした描写に注目。また、遺跡の崩れている部分も観察してみよう。“かすがい”を使って石が組まれていることなどが分かる。
ラグジュアリーなバカンス、あります!
カンボジアのリゾートはもてなし上手
カンボジアというと、どうしても森に佇む遺跡の姿を思い浮かべてしまうが、実は海に面するカンボジアは美しいビーチも有している。カンボジアのリゾート地として今、人気を集めているのがシェムリアップから飛行機で1時間弱の場所にあるシアヌークビル。タイ湾に面するシアヌークビルは、まさに今リゾート開発が着々と進んでいるエリア。海外リゾート好きの間でも最新の注目スポットとなっている。最新リゾートとはいえ、高級リゾートからローカルのゲストハウスまで各種宿泊施設が揃っているのもポイントだ。旅の目的に合わせて、ラグジュアリーなおもてなしから、ローカル体験まで楽しむことができる。
近隣諸国の有名リゾートと比べると宿泊費や食費などがまだまだリーズナブルなのも、狙い目。ここぞとばかりに高級リゾート体験を堪能するのもアリだ。そんなラグジュアリー体験におススメなのが〈ソカ・ビーチ・リゾート〉。クメール様式のデザインを取り入れた落ち着いたホテル。広々とした敷地にはプライベートビーチ、ヴィラ、スパなどを揃えており、ラグジュアリーホテルならではのおもてなしが期待できる。
一味違う異国のバカンス気分を求めるなら、シアヌークビルからフェリーでロン島へ渡ってみては。ロン島は、美しいビーチとカジュアルステイで人気の高い島。外国人バックパッカーたちも多く集う場所で、夜もにぎやかに楽しみたい人にはうってつけだ。もっと落ち着いてリゾートを楽しみたいなら、もう一つの島、ロンサムレム島もある。まるでプライベートビーチのような静かで、美しい浜辺が広がる素朴な島で、隠れ家ステイにはもってこい。シアヌークビルと島々をつなぐフェリーやボートのチケットは各船着き場で販売(片道高速艇10ドル、フェリー5ドル)。日帰りも良し、シアヌークビルとはまた違う滞在を楽しむも良し。気温40度越えも珍しくないカンボジアだけに、リゾートで癒されるひと時は格別!
地元っ子イチオシ観光スポット
アンコール遺跡以外にも見どころとなる観光スポットは多い。シェムリアップから車で約1時間強の場所にあるクーレン山は、地元っ子にとっては信仰の場所にして、人気のレジャースポット。見どころの一つは、川底に神々の像やリンガ(男根)モチーフが掘られた千体リンガ。彫刻が敷き詰められたような光景が川の流れに浮かび上がる、珍しい情景を見ることができる。また、2段の滝になっている場所では、地元の人々が川遊びに興じる姿も。内戦の混乱が収束し、今ではレジャーを楽しむ姿が当たり前となった。山中にある寺院プレア・アントンでは、ぜひ黄金の涅槃仏にお参りを。岩山に直接掘られた全長9.5メートルの大きな涅槃像の姿は壮観。寺院前の参道沿いの店で線香とハスの花を買っておき、祈りとともに捧げよう。
繁華街には観光市場がいくつかあり、夜にはナイトマーケットも開く。外国人観光客も多く訪れる場所なので、ディナー後にナイトライフや買い物を楽しみたい場合は出かけてみよう。街中の移動は、基本的にトゥクトゥクを気軽に利用できる。乗り込む前に交渉の上、値段を決めておくべし。郊外・街中、どちらもシェムリアップを拠点にして楽しむことができるので、アクティブな観光はシェムリアップを拠点に、リゾートステイはシアヌークを拠点に過ごすのがおすすめ。
【アクセス】アンコール遺跡群などの観光地に近いシェムリアップ国際空港へは、日本からの定期直行便が無いため、ベトナムのホーチミン、ハノイなどを経由して、10時間ほど。
【通貨】通貨は「リエル」。約1ドル=4000リエル。観光地ではドルを一般的に使用できる。
【ビザ】カンボジアに入国する際にはビザが必要となるので、なるべく日本で取得しておくこと。
今年から、ベトナム航空に新型機ボーイングB787-9が登場。最新モデルにはエコノミークラスも個人モニター付きで、シートもゆったりとしたつくり。ビジネスクラスのシートはフルフラットが可能で、さらにくつろげる。シェムリアップへは乗り継ぎが必要となるだけに、長時間利用の便は快適さにもこだわってみては