中世の風を感じる、本邦初の注目企画展!「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」

国立西洋美術館 7月9日(土)〜9月19日(月・祝)
イスラエル・ファン・メッケネム『メッケネムと妻イダの肖像』大英博物館蔵 ©The Trustees of the British Museum

 15世紀後半から16世紀初頭にドイツで活躍した銅板画家イスラエル・ファン・メッケネムを、日本で初めて本格的に紹介する展覧会。メッケネムは、ショーンガウアーやデューラーら、当時人気だった他の作家の作品を大量にコピーする一方で、新しい試みもいち早く取り入れるなど、銅板画の歴史において重要な役割を果たした存在でもある。

 メッケネム作品の多くはキリスト教主題を持っており、そこからは人々の生活における信仰の重要性を伺うことができる。その一方で、像の前で祈る者が免罪される様子を描いた『聖グレゴリウスのミサ』など、当時の信仰生活の“俗”な側面が透けて見えるものもある。また当時、ドイツの版画家たちはまだ絵画では珍しかった非キリスト教的な主題にも取り組むようになっており、メッケネムも男女の駆け引きなどを、ユーモアと風刺を込めて描いている。

 本展では、ミュンヘン州立版画素描館や大英博物館などが所蔵する作品も含め、版画、絵画、工芸品など約100点を展示。聖と俗が混じり合う、中世からルネサンスへの移行期に活動したメッケネムの作品をたどりながら、初期銅版画を多角的な視点で紹介する。

【時間】9時30分〜17時30分(金曜は20時まで。入館は閉館の30分前まで)
【休】月曜(7/18、8/15、9/19は開館)、7月19日
【料金】一般1000円、大学生750円、高校生500円
【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル)
【交通】JR上野駅より徒歩1分
【URL】 http://www.tokyo-np.co.jp/event/meckenem/