Krush.69 寺戸とKANAがともにKOで防衛

寺戸がパンチで1回目のダウンを奪う(撮影・上岸卓史)

 立ち技格闘技「krush.69」(9月30日、東京・後楽園ホール)のダブルメーンイベントで、Krush-55kgと女子のタイトルマッチが行われた。
 -55kgは王者・寺戸伸近にフランスのチャールズ・ボンジョバーニが挑戦。
 1R3分で寺戸がKOで初防衛に成功した。
 序盤こそローを主体にした静かな立ち上がりだったが、中盤に寺戸が右ストレートからの左フックでダウンを奪う。ボンジョバーニが尻もちをついたところに流れでキックが入ってしまうアクシデントはあったが、ボンジョバーニのダメージは大きい。立ち上がったボンジョバーニだったが、寺戸はコーナーに追い込みラッシュをかけるとレフェリーがスタンディングダウンを取る。この時点で残り時間はわずか10秒だったが、勝負どころと見た寺戸はなおもラッシュ。終了間際に3度目のダウンを奪い勝利を収めた。
 ボンジョバーニはK-1のリングで武尊に敗れはしたものの、ダウンを奪い、追い込んだ強者。その相手からの完璧な勝利に「次はK-1?」と水を向けられると、「出る時は出るべきして出るんじゃないですか」とクールに切り返した。

KANA(左)のハイキックが炸裂(撮影・上岸卓史)

 女子はKANAが3R2分29秒、右ハイキックでKO勝ちを収め、2度目の防衛を果たした。
 デビュー以来、3連続KO勝利のKANAだったが、タイトル戦になってからは判定勝ちが続いていたこともあり、念願のKO勝ち。しかし決して楽な試合ではなかった。
 挑戦者のキル・ビーは今年1月に“女子キック9冠王”のLittle Tigerを圧倒して勝利を収めた。強打と豊富なスタミナを擁する攻撃的ファイター。
 パンチでKANAをぐらつかせる場面もあったが2R以降は体格とパワーで勝るKANAのプレッシャーに下がる場面も見られ、スタミナも削られる。それでもなおパンチの威力は衰えず、最後までKANAを苦しめた。
 KANAは試合後のリングで「女子はセミですけど、メインでも組んでもらえるよう、これからもっと強くなりたい」と目標を語った。

 Krush -70kg王者ジョーダン・ピケオーへの挑戦権をかけた廣野祐vs松倉信太郎の一戦は3R3-0の判定で廣野が勝利を収めた。
 廣野は押し込んでの徹底的なボディー攻撃で松倉のスタミナを奪う。そして2Rには松倉の意識が下にいったところで放った左ハイキックで松倉が右目尻から出血。
 ドクターストップがかかってもおかしくないほどの出血とあって、松倉も一気にラッシュをかけたが、廣野は最後まで一貫してボディーを主体に攻め続け、勝利を収めた。
 廣野は「また押し相撲試合して、世界との距離は縮まっていないですけど、試合まで少しでも縮めます。ピケオーは日本人をナメて笑ってるんで、ぶっ飛ばしたいと思います」と話した。

【写真左】堀尾vs石田は石田が延長の末、勝利 【写真右】廣野(左)が終始先手を取って判定勝ち(撮影・上岸卓史)