【拡大版】格闘家イケメンファイル Vol.58 卜部功也

 K-1スーパー・フェザー級世界最強トーナメントを制し、王者に輝いた卜部功也。強いだけではなく、そのルックスで、圧倒的な女性人気を誇る新生K-1のスター選手だ。スーパー・フェザー級世界最強という称号を手にし、卜部は次なる高みを目指す。

撮影・神谷渚

3度目の兄弟対決は!? 「もういいかな(笑)」
次の目標はライト級に転向しての2階級制覇

 9月19日、東京・代々木競技場第二体育館で開催された「K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN~スーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント」のスーパー・フェザー級世界最強決定トーナメントで優勝した卜部功也。決勝の相手は、今年の4月に、-60kg日本代表決定トーナメントで負けた大雅。ある意味リベンジマッチとなった 試合だが、結果は1R1分31秒KOという圧倒的な強さで勝利。

「試合後の会見でも言ったんですが、今回のトーナメントは1回戦から、なるべく消耗しないように、ダメージを受けないように戦いました。準決勝は勝ち上がった小宮山選手が怪我で、対戦相手が急遽変更になるという場面もあったのですが、どの選手と当たっても戦えるようにデータは頭の中に入っていたので、全然問題なくできたなという感じです。また、決勝戦も作戦通りというか、一気につめて近い距離で勝負をしたいと思っていたので、それがうまくハマったと思います。勝負は一瞬。たまたまだとは思いますが、僕はその一瞬の隙を見逃さなかった。それだけです。ですから、次にまた大雅君と戦ったら、どうなるか分からないという恐怖心はありますよ」

 前回に引き続き、大雅との決勝戦になったのだが、それは想定内?

「そうですね…。決勝戦は、大雅君と当たるのが、6~7ぐらいで、兄(弘嵩)が2~3で、エルナンデスが1っていう確率ぐらいじゃないかと思っていました。やはり大雅君は日本決定トーナメントで優勝していますし、勢いがすごくある。兄も可能性があるとは思っていましたが、それ以上に若さの勢いがあったので、決勝に残ってきたときは、やっぱりなって思いました」

 功也から見て、大雅のすごいところは?

「センスの良さですかね。まず、センスがいいし、あとは爆発力。生まれ持った才能というものを感じます。逆に僕はあまりパンチで倒した事がないので、それはすごくうらやましいと思う。ただ、前回の試合で大雅君を見て、やはり彼を倒さないとトーナメントの優勝は厳しいなと思ったので、その才能を上回る技術をつけるということを中心に練習メニューを組み立てました」

 大雅対策として具体的にやったことは?

「自分の中であの負けはすごく大きかった。今回の世界トーナメントは、推薦枠で出ることができたんですが、このまま出ても今の大雅君には絶対に勝てないと思ったので、何もかも全部考え直しました。若さなのか、大雅君の成長のスピードはすごく早くて、僕の1.2~1.3倍の速さで成長している。伸びしろが半端ないと思ったので、生活、日常のリズム、練習…とにかくすべて変えました。先ほども言いましたが、大雅君は若さの爆発力、勢いがあって、才能もある。自分はそういうものを持っていなかったので、地道にやるしかない。経験を生かして積み重ねることでしか力を伸ばせないので、今回もほんとにすべてを一から考え直して挑みました」

撮影・神谷渚

 兄は同じスーパー・フェザー級チャンピオンの卜部弘嵩。今回のトーナメントの優勝者が、チャンピオンへのタイトルマッチの挑戦権を獲得できる。3度目となる兄弟対決はあるのか。

「いやー、さすがに3回目はいいかな(笑)。もうやりたくないです。実はこのトーナメントに出場する前から、次回からは階級を上げてライト級(-62.5kg)に転向し、2階級制覇を目指したいと思っていました。そして、試合後、それを正式に発表させていただきました。実は以前から、減量がすごくきつくて、そういういい意味ではちょうどよくなって動けるのかなと。スーパー・フェザー級の試合の前は、逃げ道を作りたくなかったし、その階級にかけるという気持ちでしたが、優勝もしましたし、また新たな気持ちで戦いたいと。ライト級は層も厚いですし、新しく新設された階級でもあるので、これからどんどんいい選手が増えてくるんじゃないかなと思います。実際、今回の大会で、ゲーオ・ウィラサクレックの代わりに山崎(秀晃)選手と対戦し、勝ったゴンナパーもその階級で出場したいとアピールしていましたし。自分自身は、階級を変えることに楽しみと不安、どっちもあります。怖い気持ちもありますが、チャレンジしたいという気持ちのほうが大きいので頑張ろうかなと」

 ところで前回の試合では入場曲を変更した?

「はい。前回がデビューして51戦目で、50戦を超えたので、また初心に戻ってデビュー戦の時のような気持ちで挑みたかった。若干、曲に慣れすぎちゃって、入場で緊張感が薄れるというのもあったんですが(笑)。ただ、本当に第2のプロデビューのような感覚でいけるかなと思って変えたんですけど、すごく良かったです。ノリもいいし、グッと集中できた。周りの反応もすごく良くて、違和感がなくてすごくいいねって。あまり言われすぎて、よっぽど今までの曲がハマってなかったんだなって、ちょっとがっかりしましたが(笑)優勝の原動力には…ちょっとはなったかな(笑)。おかげさまで、どこに行っても、自分を知ってくださっている方がいて声をかけていただけるようになりました。とてもありがたいと思っていますし、これからももっともっと声をかけていただけるように頑張ります」
(THL・水野陽子)