『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』出演:瀧川英次

SPECIAL INTERVIEW
 10月13日から始まった米倉涼子主演の人気ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系、毎週木曜19時~)にレギュラー出演している俳優の瀧川英次。最近いろいろなところにいろいろな姿で登場する、得体のしれないこの男に話を聞いた。
(撮影・蔦野裕)
「ドクターX ~外科医・大門未知子~」に萬田康介役でレギュラー出演中。どんな役?

「勝村政信さんが演じる外科医の加地秀樹先生と吉田鋼太郎さんが演じる西園寺猛司先生にとにかくくっついて、なんとか病院内の地位を上げようと頑張るインテリ小判鮫です。とにかく加地先生にくっついています(笑)」

 前クールのドラマ『せいせいするほど、愛してる』からレギュラーが続いている。実は昨年は『相棒』の最終回へのゲスト出演、『下町ロケット』と高視聴率ドラマでおいしい役どころで出演していた。昨年あたりから大きな波が来ている感じ?

「そ、そうですね(笑)。でもそんなに自覚はないです。確かに相棒にゲストで出て…下町…。ドクターXもきっとたくさんの方に見てもらえるドラマだと思うので、みなさんに認知していただいて、もっといろいろな作品に出られるようになるといいなと思っています」

 瀧川英次は映画コメンテーター「赤ペン瀧川」というもうひとつの顔でも活躍中。スライドを使って映画の見どころを紹介するその独特のスタイルが人気。最近は新作映画の紹介などで、地上波のバラエティー、ネット、映画のイベントなどに引っ張りだこだ。

「U-NEXTという12万本の映画を有しているサイトがあって、そこで11月から週1本の映画紹介のレギュラーが始まります。それと隔週でGYAO!でも映画紹介のレギュラーがあって、この2つはネットで見られます。それとは別に映画の配給会社から映画とかDVDの紹介の仕事が来る。そういうのはその映画のウェブサイトに張ってあったりしますので、ちょっとチェックしていただけるとうれしいです」

 瀧川英次と赤ペン瀧川。切り替えが大変なのでは?

「切り替えている意識はあまりないんです。ドラマの時は台本があって現場に行ったら役がありますから自然と赤ペンとは離れていく。赤ペンは野放しにされているのでフラットな状態でやっています」

 映画はどれくらい見てる?

「年間200~300本は見ていると思うんです。そのうち作品にしているのは40~50本くらい」

 年間300本映画を見たら、俳優としてはすごい勉強になりそう。

「なるほど…。そのはずですよね。でも僕はジェイソン・ステイサムから学ぶことは特にないんですよ(笑)。だから日本の映画を見たら、すげえなとか思いますけど、勉強のために見ているかといえば、そうでもない。でも自然に血となり肉となっていればいいな…きっとなっているはずだろうとは思っています。いや、いい加減なっとけよって(笑)」

 これまで赤ペン瀧川としてロフトプラスワンで多くのライブを行ってきた。いつも超満員。楽しみにしているファンも多い。

「もう1年くらいやっていないんですが、今年は12月28日にロフトプラスワンでやります。前回やって好評だった『行くネタ来るネタ』といって、今年の仕事、今年のネタを大放出するという企画でネタをやりながら1年を振り返ります」

 今後、ライブについては?

「半年に1回と言いたいところですが、いざやるとなると“いつネタ作るんだよ”ってなるんです(笑)。だから1年に1回くらいがちょうどいい」

 赤ペン業は誕生してからずいぶん長い。

「ですよ。映画の仕事、めっちゃあるんですよ(小声)」

 これまでの映画コメンテーターがつまらなかったってこと?

「見た感想を言える人はいるんですけど、ロジカルに作品を紹介しつつ視覚的に分かるプレゼンができる人がいなかったんじゃないでしょうか。だいたいVTRを流して見どころを喋るだけ。でも僕はちゃんとした道筋を立てて映画を紹介する。そういう人って、あまりいないんです。あと、よく映画のCMで“アイアンマンの監督”という言い方をするんですけど“ジョン・ファヴロー監督”という名前はあげない。でも監督の名前を言ってあげないと他の作品についていかないから、そういうところは意識します。こういうふうに、物足りないなって思っていたものや、自分がこういう情報を聞いたら見たくなるなっていうようなものはネタを作る時に込めています。“この監督は以前にこんな素晴らしい作品を作っていて、その人の最新作なんだよ”とか。映画を紹介してくれる人に対する物足りなさはネタには反映していますね」

 これは年間200~300本見ているからできる芸当。今後、俳優の仕事も忙しくなってくるし…。

「やばいですよ(笑)。だって映画コメンテーターなのに『君の名は。』すらやっと最近見れたんですよ」

 俳優と赤ペン、今後はどういうスタンスで?

「それですよね~。どうなるんでしょうね。考えて…ないですね(笑)。来た仕事をとにかく一生懸命やるということは間違いないです。だって俳優も赤ペンもどちらにも言えることなんですが、思いがけない仕事が来ますから。だから作戦を立てたところで全くその作戦通りにはいかない」

 思いがけない仕事というのは?

「あのドクターXのレギュラーですよ!! 来週、熱海に旅行でも行きたいな?とか言ってても、こんなにも大きな仕事が来たら熱海はすぐ中止ですよ(笑)。だからもう、来た順番にちゃんと仕事をするということを40歳まで、あと2年はがっつり続けます。その後、40を迎えた時に手元にどんな仕事が残っているかを楽しみにしておこうかなと思っています。ただ、映画コメンテーターとしてお仕事を一緒にさせていただいた監督で本当に好きな作品を作っている監督とは俳優としても仕事がしたいですね。最近は監督とお話する機会も増えてきて、今までは赤ペンの仕事と俳優業はセパレートだったんですが、赤ペン瀧川で知り合った人脈が俳優業にフィードバックされる、みたいなことも出てきているんですよね」

 現在abema TVの『原宿アベニュー』の金曜日にレギュラー出演中。木曜の『ドクターX』と続けて見てみると、その振り幅の大きさにビックリするかも。
(THL・本吉英人)