大本命の武尊の首を狙う小澤は決勝まで勝ち上がれるのか!?

K-1 WORLD GP 2016 JAPAN ~初代フェザー級王座決定トーナメント~

 今年最後のK-1の大会となる「K-1 WORLD GP 2016 JAPAN ~初代フェザー級王座決定トーナメント~」(11月3日、東京・国立代々木競技場第二体育館)の開催が間近に迫ってきた。
 フェザー級(57.5kg)は新設された階級で、-55kg王者(現スーパーバンタム級)の武尊が王座を返上して2階級制覇を狙う。
 また武尊をつけ狙うKrush-58kg王者の小澤海斗も参戦。6月の初対戦では武尊の判定勝ちに終わったが、その後も小澤の挑発はとどまることはなく、再戦が実現するかも大きな焦点となっている。

 今やK-1の顔といっても過言ではない武尊。昨年大晦日にRIZINで大きなインパクトを残し、今年もその勢いのまま4月にはムエタイの強豪ヨーセンチャイ・ソー.ソーピットをKOで破り、6月には小澤との遺恨マッチで判定勝ちとリング上でもリング外でもインパクトを残し、K-1を引っ張ってきた。

 スーパーバンタム級では敵なしで本人が「勝って当たり前の試合は勝ってもそんなに褒められない」という状態となっていた。またもともと-58kgで戦っていたが新生K-1では-55kgで戦うこととなったため厳しい減量が課せられていたことから、今回の階級変更はプラスこそあれ、マイナスはひとつもなく、不動の本命の座は動かない。

 そんな武尊に対してイライラが増しているのが小澤。

 小澤は武尊に敗れた後もことあるごとに「むかつく。ぶっ倒す」と挑発。8月には武尊の同門である大岩龍矢相手にKrush-58kg王座を防衛し、トーナメント参戦にこぎつけた。

 2人は別ブロックに振り分けられ、決勝に勝ち上がらないと対戦はない。特に小澤と対戦するジョシュ・トナーは37戦25勝(3KO)12敗のベテランで、どんなスタイルにも対応できる万能型とあって、外国人選手と初対戦の小澤にとっては厄介な相手となるだけに予断は許さない。

 どうしてもこの2人に話題は集まってしまうが、他の日本人勢も虎視眈々とベルトを狙う。

 神戸翔太は2014年に当時王者だった武尊のKrush-58kg級のベルトに挑戦、昨年はそのベルトの王座決定戦で小澤と対戦し、ともに判定で敗れている。

 しかし神戸は公開練習で「リベンジ、リベンジ言っているのはガキ丸出し」と暗に小澤を批判。大会に先立って行われたファンイベントでは「小澤も戸邊も強くない」とクールに言い放ちながらも、「勝てば一晩で人生が変わる」とちらりとベルトへの執念を見せる。

 会見などでは多くを語らない戸邊隆馬も「格闘家・戸邊隆馬の生き様を見せたい」と静かに燃える。

 対する外国人選手も粒ぞろい。

 戸邊と対戦のエリアス・マムーディ、武尊と対戦するジェイミー・ウィーランは長いキャリアの中でともにまだ1度しか負けがない強豪。

 しかし一番の台風の目はユン・チーか。

 ユンは昨今急激に実力を伸ばしている中国を主戦場とするファイター。K-1の6月大会では本来の階級ではない-60kgで欠場した卜部弘嵩に代わり急きょ小宮山工介と対戦。ダウンを奪い、判定勝ちを収めるなどその実力は実証済み。

 誰もが無傷で勝ちあがることは考えられないトーナメント。最後にものをいうのは根性と執念。となると優勝者は…。